刺さった男 ID:b31pv0

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刺さった男

「刺さった男」
原題:La Chispa De La Vida/As Luck Would Have It
監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
キャスト:ホセ・モタ
     サルマ・ハエッタ
     ブランカ・ボルディージョ
     ファン・ルイス・ガリアルド

2年も求職中のロベルトは友人にも就職を断られ、
失意の中、妻と結婚式を挙げたホテルへ向かう。
しかしそこは博物館に変わっており、中に入った
彼は立ち入り禁止区域で落下し、頭に鉄の棒が
刺さってしまうのだった。

<お勧め星>☆☆☆ コメディと思っていたら人間
の醜い面を描きながらバッドエンディング。うーん。


主人公の男は2年間失業中の元広告マン、ロベルト・
ゴメスです。彼は美しい妻ルイサ、後半に出てくる
パンクロッカーの息子ロレンソ、眼鏡をとったら
結構可愛い娘バルバラの4人家族で幸せに暮らして
いるけれどお金がないのです。


刺さった男

教師をしている妻は、実家のあるメキシコの移住しよう
と提案しますが、一家の主であるロベルトは、この
スペインで生活し、子供たちに高水準の教育を受けさせ
ようと必死で面接を受けまくっているのです。もちろん
愛する妻にもこの邸で幸せに暮らしてほしい。でも現実は
破産寸前の身。何とかつてをたどって旧知の友人の会社
へ向かうも、相手は彼のことなど後回しでゲームに
興じている始末。だから景気が良くならないんだよ!

面接を待つ間にコーヒーを飲もうとすると、上から
植木にかけた水が降ってきてびしょ濡れになるし、車は
駐禁を取られるし、金がないこの自分をあろうことか
ホームレスが襲ってきます。あー、もう彼の心はボロ
ボロ。とりあえず現実逃避で、2週間後に迫る結婚記念日
のことを考え、妻と結婚式を挙げたホテルを見に行く
のですが、それがない...。今妻を喜ばせることは思い出
のホテルに宿泊することなのに、それがない...。

実はホテルの敷地から遺跡が発掘され、既に博物館に
建て替えられていたのです。とことんツイていない彼
は、流されるままこの博物館に入り込んでしまい、立ち入り
禁止区域で警備員に呼び止められ、それから逃げようと
したとたん、ヴィーナスのような彫像とともに中吊り、
そして落下してしまうのです。
「大丈夫かーい」
「ああ頭が少し痛いけれど大丈夫」
いえいえ全然大丈夫じゃないんです。


刺さった男

彼の後頭部には鉄の棒が刺さっており、題名通りの
「刺さった男」
になってしまったのです。そこから博物館の内覧会に来て
いた記者が大勢詰めかけ、彼の動向を報道し始めます。
救急隊到着→搬送が難しい→消防隊到着→動かせるか医師に
相談→医師はX線検査を指示。
という具合にロベルトは一向にこの体勢から救い出され
ません。ところが彼はここで一計を思いつくのです。
自らの姿をマスコミに売り込んで金儲けしよう。
だって今朝は誰からも無視されていたのに、今はこんなにも
注目を浴びているじゃないか。

そこで知り合いのマネージメント会社の代理人を呼ぶのです。
もちろん妻への連絡も忘れません。さらに博物館で客を呼び
こもうとしていた市長、せっかく発掘された遺跡を壊したく
ない館長、もしもロベルトが自殺を図ったのなら、会社の
イメージが損なわれると慌てる、彼が面接に行って断られた
会社の社長などの思惑が次々と映し出され、人間の醜さを
これでもかと見せつけます。みんなが自分の利権ののみを
優先するのです。

ロベルト自身も自らの姿を売り込むことで、家族に金を
残せるのならそれで悔いはないと考え、必死で笑顔を見せ
たりします。こんな時彼の身を案じるのは、家族しかいない
わけで、これは日本でも同じようなことが起きているなあと
感じます。大事故の後に詰めかけるマスコミやその事故の
原因から逃れようとする釈明は幾度となく聞いてきました。
ルイサは、小さなテレビ局の記者の女性が、彼女が悲嘆に
くれる姿を見て、思わずカメラを下に向けたのを見て、
ある決意をするのです。

そう、この鉄の棒を抜いたらおそらくはロベルトは死んで
しまう。だったら最後の家族写真をここで撮ってもらおうと。
この時汗だくになりながら笑顔を見せるロベルトと涙を
ぬぐって笑顔を作る妻子の姿が滑稽ながらとても悲しく
思えるのです。見世物になっても家族のことを考え、それ

で金を稼ごうとするロベルトの家族愛が強く伝わるし、
被害者へ尊厳をもって接することの重要さも伝わります。
鉄の棒を抜いた瞬間、大量の血しぶきが出たことで、彼の
運命がわかるんだけど、ラストに最後のビデオテープを

持った家族の前に金の入ったテレビ局の社長が立ち、その
アタッシュケースを目の前に出すと、ルイサは力いっぱい
それを蹴り倒すんです。ここは気分がよかった。その前に
父の死を知ったロレンソが、父の最後の願いを聞いて
厚底ブーツを投げ捨てたのも胸が詰まりました。その
ブーツでどかどか歩くたびにロベルトが悲鳴を上げて
いたなあ。
人の不幸を売り物することは人間の尊厳を踏みにじる行為
であるということですね。

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海の上のバルコニー

5

海の上のバルコニー

「海の上のバルコニー」
原題:Un balcon sur la mer
監督:ニコール・ガルシア
2010年 フランス映画 108分
キャスト:ジャン・デュジャルダン
     マリ=ジョゼ・クローズ
     トニ・セルヴィッロ

義父の経営する不動産会社で働くマルクは、客の
女性が、内戦下のアルジェリアにいた少年時代、
恋をしていたキャティと知り驚く。すぐに深い関係
になった2人だったが、実はキャティは当の昔に
亡くなっていた。

<お勧め星>☆☆☆ 静かだけれど、ミステリアスな
雰囲気が漂う大人の映画です。


主役のマルク役の俳優さんをどこかで見たと思ったら、
「アーティスト」(2011)のジャン・デュジャルダン
でした。実年齢よりも絶対に年上に見えるわ。シャツの
ボタンをかなり開けて胸毛を見せるところが、フランス人
って感じがしちゃう。でも様になるけど。
このマルクは義父が経営する不動産会社に勤務しており、
素敵な邸宅に住んでいるんです。でも妻はそばかすだらけ
のいまいちきれいでない女性で、どうも夫婦仲はうまく
いっていないみたい。それでも一人娘マヌーシュだけは
可愛いのです。
そんな彼はある邸を案内することになり、購入を希望する
客マンドナート夫人を見て釘付けになるのです。実は彼は
少年時代、内戦下のアルジェリアに住んでいて、向かいに
住む少女キャティと幼い恋を育んでいたのに、国外脱出を
図る両親の決断で離れ離れになっていたのです。


海の上のバルコニー

このシーンは、後半違う人物の視点から描かれ、そちらを
見ると本当に胸が苦しくなります。
さて、マルクはマンドナート夫人をキャティであると思い、
あっという間にベッドイン!


海の上のバルコニー

アルジェリアでの思い出話をしながら、美しい景色を堪能
します。この後、キャティは下着姿で一人泳ぐんです。それ
もまた艶っぽいのなんのって。でもなぜかキャティは連絡先
を教えず、物件の契約日23日がやって来ます。
実はその前にマルクは、そのキャティがアルジェリアの内戦で
父親共々爆死したと聞かされるのです。キャティの父は教師
をしており、独立派であった。それは回想シーンで脅迫電話を
受けることからわかるように、政府軍からは狙われていたわけ
です。マルクの母親役で懐かしいクラウディア・カルディナーレ
が出演していますが、かつての面影は全く残っていません。
マルクはキャティが誰なのか知りたくて仕方がないし、一方
キャティはなぜか契約の日にトイレで泣いています。


海の上のバルコニー

にわかにミステリータッチになってきた映画も、すぐに真相が
わかっていくのです。キャティが最初に残した住所に向かうと
そこにいたのは1人の老人。でも家の棚に飾られていた写真を
見て、マルクはピンと来ます。向かいの家の1階は商店でそこに
キャティと仲良しのマリ=ジャンヌと言う少女がいたことを
急に思い出すのです。人間の記憶は本当に曖昧で、美しい部分だけ
が残っていたりし、そこにいた関心のない人物は記憶から消えて
いたりするものなのですね。

そして今度はキャティことマリ=ジャンヌの視点から映画が進み
ます。彼女はマルクの同僚で、いつも女の話をしているセルジオ
の愛人であり、彼の指示で様々な詐欺行為を行っていたのです。
なぜ彼とつながっていたのかは、よく分からなかったけれど、
どうやらマリ=ジャンヌの父の借金のためのよう。その仕事の
1つでマルクと出会い、マルクが勝手に彼女をキャティと勘違い
しただけなのです。しかしマリ=ジャンヌはアルジェリア時代
からずっと2人のそばにいたし、2人の姿をいつも追いかけて
いました。その彼女の哀し気な表情を見ると、本当に胸が痛み
ます。そしてマルクがアルジェリアを去る時、キャティに会えず、
マリ=ジャンヌに「必ず戻って来るから」と言付けすると、
マリ=ジャンヌは裸足のまま彼の車を追いかけます、もちろん
マルクは彼女の姿すら見ようとしません。そんな切ない気持ちを
抱いていたのですね。

そして独立派のキャティ父子はマリ=ジャンヌの目の前で爆死
するわけです。この悲劇を胸に彼女は成長してきたわけで、それ
を知らずにキャティと勘違いしたマルクの残酷な行為が、彼女の
涙の訳の一因にもなったのでしょう。
ラストは、芝居をしているマリ=ジャンヌの公演を見に来るはずの
マルクの姿が見えないことに慌てるマリ=ジャンヌと、遅れて
到着するマルクが映ります。
「捜したわ」
「迷ったんだ」
それは2人の人生においても同じ意味を持つものと伺えました。




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WHO AM I ピエロがお前を嘲笑う

4

ピエロがお前を嘲笑う

「ピエロがお前を嘲笑う」
原題:Who Am I-No System Is Safe
監督:バラン・ボー・オダー
2014年 ドイツ映画 106分 PG12
キャスト:トム・シリング
     エリアス・ムバレク
     ボータン・ビルケ・メーリング

最重要指名手配ハッカー、ベンヤミンが突然出頭する。
彼は世界的なハッカーの情報を提供することで、証人
保護の対象になることを求めるが、担当のハンネは彼の
証言に疑問を持つのだった。

<お勧め星>☆☆☆半 騙されないように真剣に見て
いましたが、ラストのラストで見事に騙されました。


既にハリウッドリメイクが決まっているのは周知の事実
ですが、ハリウッド映画になったら、お金をかけただけ
のつまらない映画になりそうな嫌な予感がします。
映画は顔に傷跡の残るベンヤミンがユーロポールの捜査官
ハンネ・リンドベルグの尋問を受けるシーンから始まり
ます。


ピエロがお前を嘲笑う

このベンヤミンが、まさにネット依存の青年の典型例で、
自分のペースでずっと話を進めていくわけで、それは
ハンネが聞きたいことにたどり着くまで、かなりの時間を
要していることがわかるのです。なんでもベンヤミンは
父は家を去り、母は自殺して、祖母に育てられたと言う。
そして14歳にして初ハッキングに成功してから、ネットの
世界では望み通りの人間になれることに気づいた模様。
そもそも現実世界では、中学の時遠足のバスに置いてきぼり
にされたという悲しい過去を持つほど、存在感が薄いのです。
彼曰く「透明人間」。
でもスーパーヒーローになりたい彼は、ハッカー界のスーパー
ハッカー、MRXの教えを元に精進?していくわけですよ。
こんなものに精進せず、リアルな生活に精進しようぜ。
MRXの言葉は

ネットの社会に安全はない
ネットの社会に不可能はない
サイバーと現実空間の両方を楽しむ
だそうで、とりあえずベンヤミンは最初の2つはギリクリア
できたものの、3つ目は無理なんですよ。憧れの元同級生マリ
に近づこうと思っても、言葉が1つも出ず、「あなた誰?」
的な態度を取られてしまう。彼女のために大学の試験問題を
盗もうとしたら、あっという間にとっつかまって、50日の
社会奉仕活動に処せられてしまいます。しかしそこで出会った
社交的で口の上手いマックスに誘われ、彼の仲間シュテファン、
バウルと共に、「大胆に人を騙す」という行為を始めたら
まあどんぴしゃでうまく行きまくるのです。この世の春が
訪れたベンヤミンは、この集団を「CLAY」と名付け、MRXに
認められるため次々にハッキングを重ねていきます。


ピエロがお前を嘲笑う

「人は見たいものを見る」と映画内でベンヤミンは語ります。
それは、逆に言うと「見た目」と「印象」は大きく関係していて
それによって、隠されてしまったり、見えなくなってしまうこと
が、多々あるということでもありますね。余談だけれど、前に
PC遠隔操作で逮捕された真犯人が、どうしていつも笑っている
のだろう、と怒っていたら、あれが普通の顔だったのね。真面目
になっても笑っているように見える、堺雅人も同じか。いや、
そこは違うな。

さてCLAYのハッキングはエスカレートしていき、遂には連邦
情報局へ侵入することに成功するのです。そこで仕込んだネタで
ベンヤミンが、MRXの気を引こうとしたら、「フレンズ」という
ロシアのサイバーマフィアの1人が殺されてしまうのです。あらら
CLAYは殺人に関係したことになってしまった。こういう時右往左往
するのが、チキンな心を持つオタクでございます。その辺りは
ベンヤミン役の俳優さんが上手く演じています。
またネット上で相手とやり取りする状況を、地下鉄車内に例えて
描いており、そこにタイピングした文字が現れるというシーンは
よく考えたものです。


ピエロがお前を嘲笑う

ここからの展開は、まさにジェットコースターそのもので、中盤
までのジラしを一気に解消していく感じがします。
ハンネが、多分元夫である同じユーロポールのマルティンの助言
を聞いて、は!と気づいた後は、そうかそうだったのかと思う
けれど、まだまだ仕掛けは続くのです。
マリ役の女優さんがもう少し可愛い子だったら良かったのにね。
音楽もクールでよく合っていました。




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ファイナル・ゲーム

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ファイナル・ゲーム

「ファイナル・ゲーム」
原題:Eden
監督:シャム・マディラジュ
2014年 スペイン=マレーシア映画 90分
キャスト:ネイト・パーカー
     イーサン・ペック
     サン・カン
     ジェシカ・ロウンズ

ワールドカップでアメリカはブラジルに勝利し
メンバーは喜々として帰国の飛行機の中にいる。
しかしその飛行機は、突然海上に墜落し、生存者
は無人島に流れつくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 突っ込みどころもあるけれど
サヴァイヴァルスリラーとして結構楽しめました。


始めの設定から大笑いなんです。サッカーのワールド・
カップで、アメリカがブラジルに勝利する!すごい!
きっとリオでは大暴動になっているぞ。しかし帰国の
飛行機は何気にふつう。選手も特にサッカー選手らしく
見えないし、監督の娘2人は、スケベ心丸だしと来た。


ファイナル・ゲーム

チームのトレーナー、コニー役でサン・カンが出演して
います。
さてその楽しい飛行機が、突然海上に墜落してしまいます。
生存者が流れついたのは、なんと無人島。もちろん通信設備
もなければ、水も食料もないので、彼らは手持ちの物で当面
過ごすほかなくなるのです。さらに生存者15名のうち2名は
負傷者で、例のコニーが面倒を見ています。
海に浮かんでいた機内食の残骸を集めていたら、なんとサメが
来て、荷物持ちのケンは、それを捨てて逃げてしまう。なんたる
ドジだろう。だから補欠なんだよ。サメがいる割には、その後
平気で何度も海に入っているから、このサメはケンの幻影だった
のかもね。

ここからが本当のサヴァイバル生活の開始です。減圧症で倒れた
キャプテン、スリムに代わって、この場を仕切るのが副キャプテン
アンディ。


ファイナル・ゲーム

しかし「キャスト・アウェイ」(2000)のようにたった一人
で無人島にいるわけではないので、真面目に知恵を絞る者もいれば、
女に色目を使ったり、食料を隠し持っている者がいたりと、全く
アホばかりです。ここで大事なのは、どうやって助けを呼ぶか、
そして助けが来るまでどのように生き延びるか、ということに
尽きると思います。しかし脳みそがサッカーボールのように空洞
なのか、最終的には、
皆を助けて救助を待つ、と主張するスリム派
生き残る可能性のある人を生かす、と主張するアンディ派
に分かれてしまうのです。

その間にも妹エヴァとフェリックスはチューしているし。そんな
状況ではないと思うよ。ついでにコニーは、木の実にさえ毒が
あり、食料が一切ないこの島の状況に絶望し、崖から身を投げて
しまう。いやだ、コニーは生きていてほしいわ。
さらにこの狭い島になぜか戦時下の地雷が残っていて、アンディの
弟ジョージは足を吹き飛ばされちゃう。こんな怖い場所もその後
彼らは平気で走り回るんですよ。それも夜の闇の中を。不思議〜。
さらにさらにアンディは、姉エレナとフォーリンラブ!絶望的な
状況になると人間の本能が生殖本能を強める、という素晴らしい
例でございます。

とにかく彼らの責任のなすりつけ合いやズル、抜け駆け、騙し合い
などは、人間の醜さをとことん見せてくれます。1km先の2つ目の
島で過ごすことに決めたアンディ派があまりにバカで困っちゃう。
やっぱりキャプテン、スリムに付くべきだったのよ。いやラストは
そうではなく、もっと簡単に済んだということを表しています。


ファイナル・ゲーム

ちなみに助けを求めるため、彼らが流木で作った「HELLO」は
波で流され、「HELL」になりますが、これは「地獄のモーテル」
(1980)の店の看板のパクリね。
あれこれ書きましたが、そんなにつまらなくないので、気楽に
見るにはいいと思います。


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共犯

4

共犯

「共犯」
原題:Partners in Crime
監督:チャン・ロンジー
2014年 台湾映画 89分
キャスト:ウー・チエンホー
     チェン・カイユアン
     トン・ユイカイ
     ヤオ・アイニン
     ウェン・チュンリン

いじめられっ子のホアンは、通学途中、路地脇で
女性とシャーの遺体を発見する。たまたま通りかかった
リン、イエと共にシャーの死の真相を解明しようと
考えるのだったが...。

<お勧め星>☆☆☆ ラストが悲しいんだよね。孤独が
招く嘘が本当に悲しいです。


<ネタバレしてるかも>
冒頭水の中に沈んでいく少年の姿を、その同じ少年が3人
の少年にいじめられているシーンと交互に映ります。いじ
める側の声は、まるで水の中から聞いているかのように、
こもっていて、これがこの時少年の耳に聞こえている声
だったのだろうと予感できるのです。
そしてそのホアン・リーファイは、通学途中、路地脇で
女生徒が血を流して倒れているのを発見します。このシャー
役のヤオ・アイニンが本当に美少女なんです。手足が枝の
ように細く、この役での繊細な少女の心を描いているかの
ようです。


共犯

ホアンに続き、リン・ヨンチュン(友人が多い優等生)、
イエ・イーカイ(不良)も通りかかり、3人はこの事件の
発見者となります。友人がいなく、いじめられっ子のホアン
と他の2人は、この事件でもなければつながりを持つことは
なかったでしょうし、ホアンがそれを喜んだのも十分納得
できるのです。事件後の心のケアとかいって登場する保健の
教師の無能なこと。彼らにとって「命の大切さ」よりも
「死への興味」の方が強いに決まっています。シャーはなぜ
自ら命を絶ったのか、3人はシャーの自宅に忍び込んで、彼女
の母親が留守なのをいいことに、あれこれ物色するわけです。
「秘密の共有」これが3人の絆を深めていきます。さらに
ホアンが、「シャーはチュン・チンイーという女生徒にいじめ
を受けていた」と言い出すのです。彼の手にはその証拠となる
シャーのメモまで握られています。じゃあ、このチュンに報復
をしないといけないということで、3人は極めて意地悪な行為
をするのですが、その後思わぬ事故が起きてしまうのです。


共犯

必死で助けに向かうイエとその場を逃げ去るリンの姿が対照的
に映されます。優等生だったリンは逃げ、不良で先生に目を
つけられているイエは必死で助けようとする。この年頃の
少年の心の内を垣間見るような気がします。
そしてこの事故でイエがその場にいたことは、彼がホアンを
いじめていたのではないか、という疑惑に変わるのです。
あいつは不良だからやりかねない、とネットで「殺人者」と
いう言葉が拡散していきます。こんなものがない時代が懐かしい。
リンはホアンとの関わりを全て消し、逆にホアンの妹から真相
究明を頼まれるわけです。
一方イエは、チュウ・チンイーと接触すると、シャーとは
話したこともなかったと言う。そして図書館に置いてある
「異邦人」の場所に隠してあったシャーの日記。実際の本は
どこにあったのか。ホアンの行動は何を意味していたのか。
ラストにわかるホアンとシャーの限りない孤独感が、切なく
感じられました。


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チャイルド44 森に消えた子供たち

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チャイルド44

「チャイルド44 森に消えた子供たち」
原題:Child 44
監督:ダニエル・エスピノーサ
2015年 アメリカ映画 137分 PG12
キャスト:トム・ハーディ
     ゲイリー・オールドマン
     ノオミ・ラパス
     ジョエル・キナマン
     パディ・コンシダイン

1950年代、スターリン体制下のソヴィエトで
国家保安省に勤務するレオは、同僚の息子の死を
事故死として処理する。しかし彼の妻ライーサに
スパイ容疑がかけられ、田舎町に左遷されると、
同様の事件が頻発していることに気づくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 原作をうまく映画化している
と思います。ただ少しわかりづらいかも。


いつも参考にするRotten Tomatoesの評価はかなり低い
のですが、それを見ずにDVD鑑賞しました。原作は
2009年版「このミステリーがすごい!」の海外編1位
を獲得しているトム・ロブ・スミスの同名小説です。
「グラーグ57」「エージェント6」と続く3部作の第1部
であり、3作とも既読ですが、どれもものすごく面白かった
です。
主役のレオ・デミトフ役は「オン・ザ・ハイウェイ その夜、
86分」(2013)のトム・ハーディ。そしてその妻ライーサ
役はミレニアムシリーズのノオミ・ラパスです。


チャイルド44

このライーサが原作ではとても美しい東欧出身の金髪美女の
はずなのに、どうもノオミ・ラパスではしっくりきません。
逆にレオはかなりのイケメンさん。
さてストーリーは原作にかなり忠実に進みます。スターリン
体制下の1953年、モスクワで先の大戦の英雄だったレオ
は国家安全保安省に勤務するエリートなのです。彼の仕事は
反体制派の粛清であり、映画では描かれませんが、容疑者への
拷問、処刑までを冷酷に行っていました。それは序盤のブロツキー
への対応で描かれます。
それ以前に1933年のウクライナ飢饉でのポロドモールの
虐殺については、ささっと字幕で流れるのみなので、原作を
読んでいないと、この意味が全然つかめないと思うのですが、
まあそれを描くと、あれもこれもとなるので、思い切って削った
のかな。


チャイルド44

レオの同僚で上昇志向の強いワシーリーは、残虐であり、隙あらば
レオを出し抜こうとしている。そんな時、同僚アレクセイの息子
ユーラが線路脇で惨殺体で発見されるのです。しかしスターリン
体制は「理想の国」であるから、犯罪は存在しない。もし存在した
ならば、それは精神疾患者もしくは同性愛者、さらには西側の
汚れた思想に感化された者によると考えられていたため、ユーラは
「事故死」として処理されます。レオも納得の上で、アレクセイに
それを伝え、アレクセイも涙ながらに納得するのです。

一方、ブロツキーを拷問して聞き出したスパイの名前の中になぜか
ライーサが入っていたことからレオは、大きな窮地に立たされます。
国家に忠誠を誓っているのならば、妻を差し出すか、家族全員を
差し出すかの二者択一なのです。この辺りはかなりアップテンポで
描かれ、ライーサの嘘やレオの両親の存在などは、あまり意味を持ち
ません。あっという間にレオは左遷されて田舎町ヴォリスクへ赴任
します。あらら、ここの警察署長ネステロフ将軍は
ゲイリー・オールドマンだわ。ちょっと貫禄あり過ぎよね。ここで
実は少年が幾人も同じような死体で発見されていることを知り、レオは
ユーラの事件との関連を疑い始めるのです。原作は上下巻に分かれて
おり、かなり内容が濃いので、それを137分に収めるのは難しかった
と思いますが、要所要所はしっかり描かれていて、サスペンスとしては
結構面白く見られます。ワシーリーの追手から、辛うじて逃げる夫妻の
姿はハラハラ抜群です。また列車の中での格闘もテンポがいい。

特にラスト付近の泥の中での格闘は、スリルにあふれているし、ラストの
体制の変化でころころ変わる上層部の方針も皮肉たっぷりに描かれて
います。欲を言うと、犯人の描き方が、かなり雑なので、犯人がなぜ
このような犯行をし続けたのか、全く理解できません。本当はあーで、
こーなのよ。だから犯人はこの人で...。やっぱり本の方が面白かったな。


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真夜中のゆりかご

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真夜中のゆりかご

「真夜中のゆりかご」
原題:En chance til
監督:スサンネ・ビア
2014年 デンマーク映画 102分
キャスト:ニコライ・コスター=ワルドウ
     ウルリッヒ・トムセン
     マリア・ボネビー
     ニコライ・リー・カース
     リッケ・メイ・アンデルセン

警官のアンドレアスは、手のかかる息子アレクサンダー
の世話をする妻アナをできる限り手伝っている。ある日
同僚と踏み込んだアパートで育児放棄された乳児の姿を
見つけ怒りに燃えるが、そんな彼の息子が突然死して
しまうのだった。

<お勧め星>☆☆☆半 ラストの1シーンで心が救われ
ました。


監督は「未来を生きる君たちへ」(2010)の
スサンネ・ビア。あの映画では、息子たちに非暴力主義を
訴える医師の姿を、家庭と仕事先の難民キャンプとの二面
から描いていました。この映画では、「何が正義か」を
立場が異なる2つの家族の姿から描いています。


真夜中のゆりかご

夜泣きのひどいアレクサンダーの世話を妻アナだけに任せず、
自ら寝かしつける警官アンドレアス。実はその日、彼は同僚
シモンと踏み込んだ1室で、ドラッグ中毒のトリスタンの
子供を産んだサネの姿を見ているのです。彼らの子供ソーフス
は、汚れたおむつを身につけ、寒さに凍えて泣いていました。
何て奴なんだ!こんな2人に育てる資格などない、という映像
を見る側に見せ、「息子を返して」と訴えるサネの姿がいかに
自己中心的なのかと思わせていきます。


真夜中のゆりかご

一方、アンドレアスとアナは夜泣きのひどい息子アレクサンダー
のために、寝る間も惜しんで世話をしています。アナの両親は
孫の顔すら見に来ず、ただ高価な洋服(かなり大きいサイズ)を
送るだけであてになりません。夫婦で育児をする理想的な姿と
思っていたら、ある夜、アレクサンダーが息をしていないことに
アナが気づき、ものすごい悲鳴を上げるのです。さらに彼女は
「通報したら自殺する。わたしとアレクサンダーを離さないで」
と訴えます。警官である前に、1人の夫であるアンドレアスの
考えたことは、すぐに想像がつきますね。もちろん救急病院へ
一度は向かうのですよ。その葛藤を映した後、彼はトリスタンの
アパートへと侵入すると、そこにはやはり汚れたおむつのまま
泣いているソーフスがいるのです。

自分の子供がいなくなったから、じゃあ代わりに他人の子供を、
という考え自体がおかしいけれど、これならアナの自殺は防げる
と思ったのでしょうね。しかしアナはなぜか頑なにこの子供を
受け入れず、思いがけない行動に出るのです。さらに、赤ん坊の
遺体を発見したトリスタンは、誘拐事件をでっち上げてしまう。


真夜中のゆりかご

全てを知っているアンドレアスと何も知らないシモンの取り調べは
どうしてもほころびが出るのですよ。サネはあくまでもあの赤ん坊
は、ソーフスでないと言い張るし、肝心の赤ん坊の遺体が消えている。

しかし、遂に遺体が発見され検死された時、ものすごい事実がわかる
わけです。それは、今まで自分が正しいと思っていたアンドレアスの
心を大きく揺さぶるもので、同僚シモンさえぶっ飛ばしてしまう。
ここで少し疑問なのは、離婚のショックかなにかで、酒に溺れた
シモンがなぜ急に酒断ちをしたのかということ。
そこは無視すると、シモンの言葉でアンドレアスは、何が正しいか
をはっきり悟るわけで、自分のとった行動が全ての間違いの始まり
だと気づくのです。
ラストシーンを見ると「何が正義」かとか「正義を語れるのは誰か」
など考えさせられます。


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ライフ・オブ・クライム

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ライフ・オブ・クライム

「ライフ・オブ・クライム」
原題:Life of Crime
監督:ダニエル・シェクター
2013年 アメリカ映画 101分
キャスト:ジェニファー・アニストン
     アイラ・フィッシャー
     ウィル・フォーテ
     マーク・ブーン・Jr.
     ティム・ロビンス

1978年、デトロイト。富豪フランクの妻
ミッキーを誘拐し、身代金100万ドルを要求した
ルイスとオデールは、愛人のいるフランクに支払い
を拒否される。彼らは次々と計画を変更していくが...。

<お勧め星>☆☆☆ 普通に面白いんですけど、もう
少しテンポを良くしたら秀逸なサスペンスコメディに
なったのに、という感じがします。


面白くなりそうで、あと少し...。スリルが出て来そうで
消えてしまう...。そんな中途半端な内容です。別にあくび
が出るほどダルくはなりませんから、見て損はないです。
「ジャッキー・ブラウン」(1997)の前章という触れ込みの
映画です。したがってルイス、オデール役はそれぞれ
ロバート・デ・ニーロ、サミュエル・L・ジャクソンの
若かりし頃の姿を演じているのです。オデール役は
「僕らのミライへ大回転」(2008)などのモス・デフが
ヤシーン・ベイと改名して演じています。


ライフ・オブ・クライム

一方のルイス役は「ウィンターズ・ボーン」(2010)で
失踪したオヤジを演じたジョン・ホークス。どちらもやや
パンチが足りないなあ。
さらにストーリーが、悪徳富豪フランク・ドーソンの妻
ミッキーを誘拐し、身代金100万ドルをせしめようとしたら、
フランクは愛人メラニーがいて、彼女の言うまま、身代金を
支払わないことから始まる、というまあよくある設定です。
所々笑わせるツボがあるのに、いまいち笑えません。うーん、
このコンビの会話もいまいちだなあ。


ライフ・オブ・クライム

そして誘拐したミッキー役のジェニファー・アニストンが
いつものように演じているのに、どうも魅力が半減している
気がするのです。なんならやり放題で、誘拐犯を困らせたら
いいのに、なぜかルイスと心を通わせ合ってしまうという
何とも中途半端な展開。そうなんですよ、誘拐犯が結構いい
人たちで、悪いのは、夫フランクとさらにはその愛人メラニー
という設定も話をつまらなくさせた原因かもしれません。


ライフ・オブ・クライム

誘拐犯のアジトとなり武器を提供するリチャードがものすごい
差別主義者で、ネオナチであるのは、何か意味があるのだろうか。
あんな旗を部屋に貼っていたら、不快に思う人々が多いはず。
序盤にミッキーを誘ってきたマーシャルの存在も全然笑えないし、
そもそも彼に意味があったのかしら?
あっというラストになるはずが、ごちゃごちゃしたあげく、割と
想定内のものになってしまいました。




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ある過去の行方

4

ある過去の行方

「ある過去の行方」
原題:Le Passe
監督:アスガー・ファルハディ
2013年 フランス=イタリア=イラン映画 130分
キャスト:ベレニス・ベジョ
     タハール・ラヒム
     アリ・モサファ

フランスに住むマリーと正式に離婚手続きをするため
テヘランから夫アーマドがやって来る。マリーには
既に再婚相手サミールがいることを知ったアーマドは
彼には妻がおり、自殺未遂が原因で植物状態であること
を聞かされるのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 個々の人物描写は丁寧なのですが
相変わらず肝心なことははっきりわからない内容です。


監督は「彼女が消えた浜辺」(2009)、「別離」(2011)
のアスガー・ファハルディです。どちらの映画もイラン
社会における女性の苦悩を、小さな出来事をきっかけに
大きな波紋となっていく様子を映し出しながら描いていま
した。それが主演女優の美貌と重なってミステリアスな
雰囲気を醸し出しています。
オープニングの空港でのガラス越しでの会話シーンは、互い
の声が聞こえないため、無音であり、始まりから見事な演出
に驚かされます。


ある過去の行方

ヒロイン、マリー役は「アーティスト」(2011)でペピー役を
演じたベレニス・ベジョ。全然雰囲気が違っていて気づかず。
映画内では常に不機嫌で、かなりヒステリックであり、煙草を
頻繁にくゆらします。彼女には4年前、テヘランに行ったきり
戻ってこない夫アーマドがいて、今回、彼の帰国を待って正式に
離婚手続きをとるという話になっているのです。アーマドが
なぜテヘランに行ったきりだったのかとか、離婚手続きをなぜ
弁護士に任せなかったのかなどは、ほぼ説明がありません。
なにか理由を話していたけれど、ものすごく曖昧だったな。
そしてそのアーマドのために、なぜかホテルを予約しないマリー
は(本当に来るかどうかわからなかったからだそうです)自宅
に彼を泊めるのですが、そこには次の再婚相手サミールもいる
わけです。


ある過去の行方

そもそも車自体がクリーニングした衣服を積んでいて、男の
免許証が入っているし、家には知らない男児までいるから、
早々に事態が飲み込めるというもの。サミールの息子フアッド
はまた反抗的で、マリーは叱りつけてばかりなのです。さらに
マリーの子供、リュシーとレアという娘のうち上のリュシーは
サミールとの再婚に大反対で、毎日帰宅が遅い。


ある過去の行方

とはいえこの2人の娘はアーマドの子供ではなく、リュシーは
ブリュッセルに住む元夫が父親のようで、じゃあレアの父親は
?という問いの答えは見つかりません。2人とも「アーマド」
と彼を呼びます。
さらにサミールには、妻セリーヌがいて、自殺未遂で植物状態
だとわかるのです。自殺の原因は鬱病というが、これに関して
とてもミステリアスに話が展開します。つまりリュシーがなぜ
サミールを嫌っているかと言うと、母親と浮気をして妻を自殺
に追い込んだからと思っているからなのです。ふーん、ここまで
きてもマリーとアーマド、サミールの心の内が上手くわからない。

ついでにマリーは、再婚を決めたからサミールの子供を妊娠して
いると言うのです。フランス人は恋愛に奔放とは言いますが、
これはあまりにも自由すぎるんじゃないのかとちょっと理解不能。
そしてリュシーは、マリーとサミールのメールをセリーヌが自殺
する前日に彼女に転送したと告白するのです。ヒステリックな
マリーの声とそれをなだめるアーマドが対照的で、なんとなく
彼女と暮らせない原因が理解できたような気がします。ところが
このメールを送る転送先のアドレスをなぜリュシーが知ったのか?
話は、また謎めいてくるのです。
「電話で聞いた。すこし訛りがあるフランス語だった」
リュシーの言葉に、サミールは、自分の店で働く不法就労の女性
を思い浮かべるわけです。しかしそんなことより、マリーとの仲
はどうなるんだろう。マリーとサミールは互いに
「妻の(夫の)穴埋めにした」
と解釈し、サミールは
「お腹の子はなかったことにしてくれ。あれは事故だった」
とまで言うのです。
一方のアーマドも親しいイラン人の男性に
「両方での生活は無理だったんだ」

などと言われる。あれ?もしかして彼はテヘランに家庭があるの?
どれもこれもわからないまま、ラストはセリーヌの病室に座る
サミールが映ります。
嗅覚だけは残るらしい。と言うことで、彼女に好きだった香水を
持ってきたサミール。
「わかったら手を握り返してくれ」
一筋の涙がセリーヌの目から流れ落ち、カメラは彼女の指を大写しに
します。それは無意識の反応だったのか。それもまたわからないまま
エンディング。前の2作品に比べると、分からない度がさらにアップ
したという感じがしています。





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私の少女

2
JUGEMテーマ:韓国映画全般

私の少女

「私の少女」
原題:a Girl at My Door
監督:チョン・ジュリ
2014年 韓国映画 119分
キャスト:ペ・ドゥナ
     キム・セロン
     ソン・セビョク

ソウルから田舎の漁師町に左遷されてきたヨンナムは
継父と義理の祖母から虐待を受けているドヒという
少女と出会う。彼女はドヒを救いたいがために、夏休み
だけ自宅に預かることにするのだが...。

<お勧め星>☆☆☆半 内容を盛り込み過ぎたために、
話の本筋がボヤけてしまったのが残念です。


ちょっとネタバレ
ソウルから左遷されてきたエリート警官、イ・ヨンナム
役は「空気人形」(2009)のペ・ドゥナです。もう
36歳になったようですが、いつまでも少女のような
ルックスとスリムなスタイルは魅力的。


私の少女

そして継父や義理の祖母から日常的に虐待を受け続ける
可哀想な少女ソン・ドヒ役は「冬の小鳥」(2009)の
キム・セロンです。あらら、すっかり大人っぽくなって
お目目もばっちり二重になったわねえ。


私の少女

ストーリーは、漁村の派出所に所長として赴任したヨンナムが
家族から日常的に虐待を受け、学校でもいじめに遭っている
ドヒを何とか救おうと奔走する姿を描きますが、学校に関しては
これ以降ほぼ触れられていません。なんでいじめられているのか、
それがなぜあっという間になくなったのかは、チラとドヒの口
から話されるだけです。
一方ヨンナム自身も、最初にたくさん持ち込んだのが、水だと
思ったら、どうやら酒であり、酒を大量に飲まないと眠れない
という何やら訳ありの様子です。その理由は彼女の左遷の原因
でもあるのですが、韓国社会の男尊女卑やマイノリティーへの
差別は日本以上に大きいようですね。とはいえ日本でも田舎で
あれば、同性愛カップルなんて大手を振って歩けるはずもない。
渋谷だから許されたんだよ。などと最近のニュースを見て思って
しまう。

ヨンナムは毎夜のようにドヒの泣き叫ぶ姿を目撃し、継父や義理の
祖母からの強烈な暴行シーンも幾度となく見るのです。


私の少女

彼女はドヒのことを考え、彼女に食事を与え、風呂に入れて
あげます。その時ちょっと躊躇するヨンナムが、彼女自身の
問題へとつながってくるのです。そしてドヒをいじめていた祖母が
事故死し、ヨンナムは、夏休みだけドヒを預かることに決めます。
このドヒの継父ヨンハが、大酒飲みで、飲むと女を殴るクズなん
だけど、労働力の少ない田舎町に不法就労者を斡旋していると
いうことで
「必要悪」として存在しているのです。この問題が絡んでくると
めっちゃややこしい。

さらにソウルからきれいな女性がヨンナムを訪ねてきます。
彼女とのキスシーンをなんとこのヨンハが目撃しちゃった!

それを後で利用するとは思わなかったな。あれはブローカーのボス
の入れ知恵にちがいない。
児童虐待から始まり、外国人不法労働者への搾取、同性愛、そして
極めつけの児童への性的虐待問題へと広がると、話のポイントが
霞んでくるんだよなあ。
ただ、「ドヒは実は怪物かも」とヨンナムに語った若い警官の言葉
を聞くと、なるほどその通りかもしれない、と思うのです。彼女は
最初からヨンナムに救ってもらおうと画策していたのでは?とまで
考えてしまいました。


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