共犯

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共犯

「共犯」
原題:Partners in Crime
監督:チャン・ロンジー
2014年 台湾映画 89分
キャスト:ウー・チエンホー
     チェン・カイユアン
     トン・ユイカイ
     ヤオ・アイニン
     ウェン・チュンリン

いじめられっ子のホアンは、通学途中、路地脇で
女性とシャーの遺体を発見する。たまたま通りかかった
リン、イエと共にシャーの死の真相を解明しようと
考えるのだったが...。

<お勧め星>☆☆☆ ラストが悲しいんだよね。孤独が
招く嘘が本当に悲しいです。


<ネタバレしてるかも>
冒頭水の中に沈んでいく少年の姿を、その同じ少年が3人
の少年にいじめられているシーンと交互に映ります。いじ
める側の声は、まるで水の中から聞いているかのように、
こもっていて、これがこの時少年の耳に聞こえている声
だったのだろうと予感できるのです。
そしてそのホアン・リーファイは、通学途中、路地脇で
女生徒が血を流して倒れているのを発見します。このシャー
役のヤオ・アイニンが本当に美少女なんです。手足が枝の
ように細く、この役での繊細な少女の心を描いているかの
ようです。


共犯

ホアンに続き、リン・ヨンチュン(友人が多い優等生)、
イエ・イーカイ(不良)も通りかかり、3人はこの事件の
発見者となります。友人がいなく、いじめられっ子のホアン
と他の2人は、この事件でもなければつながりを持つことは
なかったでしょうし、ホアンがそれを喜んだのも十分納得
できるのです。事件後の心のケアとかいって登場する保健の
教師の無能なこと。彼らにとって「命の大切さ」よりも
「死への興味」の方が強いに決まっています。シャーはなぜ
自ら命を絶ったのか、3人はシャーの自宅に忍び込んで、彼女
の母親が留守なのをいいことに、あれこれ物色するわけです。
「秘密の共有」これが3人の絆を深めていきます。さらに
ホアンが、「シャーはチュン・チンイーという女生徒にいじめ
を受けていた」と言い出すのです。彼の手にはその証拠となる
シャーのメモまで握られています。じゃあ、このチュンに報復
をしないといけないということで、3人は極めて意地悪な行為
をするのですが、その後思わぬ事故が起きてしまうのです。


共犯

必死で助けに向かうイエとその場を逃げ去るリンの姿が対照的
に映されます。優等生だったリンは逃げ、不良で先生に目を
つけられているイエは必死で助けようとする。この年頃の
少年の心の内を垣間見るような気がします。
そしてこの事故でイエがその場にいたことは、彼がホアンを
いじめていたのではないか、という疑惑に変わるのです。
あいつは不良だからやりかねない、とネットで「殺人者」と
いう言葉が拡散していきます。こんなものがない時代が懐かしい。
リンはホアンとの関わりを全て消し、逆にホアンの妹から真相
究明を頼まれるわけです。
一方イエは、チュウ・チンイーと接触すると、シャーとは
話したこともなかったと言う。そして図書館に置いてある
「異邦人」の場所に隠してあったシャーの日記。実際の本は
どこにあったのか。ホアンの行動は何を意味していたのか。
ラストにわかるホアンとシャーの限りない孤独感が、切なく
感じられました。


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チャイルド44 森に消えた子供たち

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チャイルド44

「チャイルド44 森に消えた子供たち」
原題:Child 44
監督:ダニエル・エスピノーサ
2015年 アメリカ映画 137分 PG12
キャスト:トム・ハーディ
     ゲイリー・オールドマン
     ノオミ・ラパス
     ジョエル・キナマン
     パディ・コンシダイン

1950年代、スターリン体制下のソヴィエトで
国家保安省に勤務するレオは、同僚の息子の死を
事故死として処理する。しかし彼の妻ライーサに
スパイ容疑がかけられ、田舎町に左遷されると、
同様の事件が頻発していることに気づくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 原作をうまく映画化している
と思います。ただ少しわかりづらいかも。


いつも参考にするRotten Tomatoesの評価はかなり低い
のですが、それを見ずにDVD鑑賞しました。原作は
2009年版「このミステリーがすごい!」の海外編1位
を獲得しているトム・ロブ・スミスの同名小説です。
「グラーグ57」「エージェント6」と続く3部作の第1部
であり、3作とも既読ですが、どれもものすごく面白かった
です。
主役のレオ・デミトフ役は「オン・ザ・ハイウェイ その夜、
86分」(2013)のトム・ハーディ。そしてその妻ライーサ
役はミレニアムシリーズのノオミ・ラパスです。


チャイルド44

このライーサが原作ではとても美しい東欧出身の金髪美女の
はずなのに、どうもノオミ・ラパスではしっくりきません。
逆にレオはかなりのイケメンさん。
さてストーリーは原作にかなり忠実に進みます。スターリン
体制下の1953年、モスクワで先の大戦の英雄だったレオ
は国家安全保安省に勤務するエリートなのです。彼の仕事は
反体制派の粛清であり、映画では描かれませんが、容疑者への
拷問、処刑までを冷酷に行っていました。それは序盤のブロツキー
への対応で描かれます。
それ以前に1933年のウクライナ飢饉でのポロドモールの
虐殺については、ささっと字幕で流れるのみなので、原作を
読んでいないと、この意味が全然つかめないと思うのですが、
まあそれを描くと、あれもこれもとなるので、思い切って削った
のかな。


チャイルド44

レオの同僚で上昇志向の強いワシーリーは、残虐であり、隙あらば
レオを出し抜こうとしている。そんな時、同僚アレクセイの息子
ユーラが線路脇で惨殺体で発見されるのです。しかしスターリン
体制は「理想の国」であるから、犯罪は存在しない。もし存在した
ならば、それは精神疾患者もしくは同性愛者、さらには西側の
汚れた思想に感化された者によると考えられていたため、ユーラは
「事故死」として処理されます。レオも納得の上で、アレクセイに
それを伝え、アレクセイも涙ながらに納得するのです。

一方、ブロツキーを拷問して聞き出したスパイの名前の中になぜか
ライーサが入っていたことからレオは、大きな窮地に立たされます。
国家に忠誠を誓っているのならば、妻を差し出すか、家族全員を
差し出すかの二者択一なのです。この辺りはかなりアップテンポで
描かれ、ライーサの嘘やレオの両親の存在などは、あまり意味を持ち
ません。あっという間にレオは左遷されて田舎町ヴォリスクへ赴任
します。あらら、ここの警察署長ネステロフ将軍は
ゲイリー・オールドマンだわ。ちょっと貫禄あり過ぎよね。ここで
実は少年が幾人も同じような死体で発見されていることを知り、レオは
ユーラの事件との関連を疑い始めるのです。原作は上下巻に分かれて
おり、かなり内容が濃いので、それを137分に収めるのは難しかった
と思いますが、要所要所はしっかり描かれていて、サスペンスとしては
結構面白く見られます。ワシーリーの追手から、辛うじて逃げる夫妻の
姿はハラハラ抜群です。また列車の中での格闘もテンポがいい。

特にラスト付近の泥の中での格闘は、スリルにあふれているし、ラストの
体制の変化でころころ変わる上層部の方針も皮肉たっぷりに描かれて
います。欲を言うと、犯人の描き方が、かなり雑なので、犯人がなぜ
このような犯行をし続けたのか、全く理解できません。本当はあーで、
こーなのよ。だから犯人はこの人で...。やっぱり本の方が面白かったな。


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真夜中のゆりかご

4

真夜中のゆりかご

「真夜中のゆりかご」
原題:En chance til
監督:スサンネ・ビア
2014年 デンマーク映画 102分
キャスト:ニコライ・コスター=ワルドウ
     ウルリッヒ・トムセン
     マリア・ボネビー
     ニコライ・リー・カース
     リッケ・メイ・アンデルセン

警官のアンドレアスは、手のかかる息子アレクサンダー
の世話をする妻アナをできる限り手伝っている。ある日
同僚と踏み込んだアパートで育児放棄された乳児の姿を
見つけ怒りに燃えるが、そんな彼の息子が突然死して
しまうのだった。

<お勧め星>☆☆☆半 ラストの1シーンで心が救われ
ました。


監督は「未来を生きる君たちへ」(2010)の
スサンネ・ビア。あの映画では、息子たちに非暴力主義を
訴える医師の姿を、家庭と仕事先の難民キャンプとの二面
から描いていました。この映画では、「何が正義か」を
立場が異なる2つの家族の姿から描いています。


真夜中のゆりかご

夜泣きのひどいアレクサンダーの世話を妻アナだけに任せず、
自ら寝かしつける警官アンドレアス。実はその日、彼は同僚
シモンと踏み込んだ1室で、ドラッグ中毒のトリスタンの
子供を産んだサネの姿を見ているのです。彼らの子供ソーフス
は、汚れたおむつを身につけ、寒さに凍えて泣いていました。
何て奴なんだ!こんな2人に育てる資格などない、という映像
を見る側に見せ、「息子を返して」と訴えるサネの姿がいかに
自己中心的なのかと思わせていきます。


真夜中のゆりかご

一方、アンドレアスとアナは夜泣きのひどい息子アレクサンダー
のために、寝る間も惜しんで世話をしています。アナの両親は
孫の顔すら見に来ず、ただ高価な洋服(かなり大きいサイズ)を
送るだけであてになりません。夫婦で育児をする理想的な姿と
思っていたら、ある夜、アレクサンダーが息をしていないことに
アナが気づき、ものすごい悲鳴を上げるのです。さらに彼女は
「通報したら自殺する。わたしとアレクサンダーを離さないで」
と訴えます。警官である前に、1人の夫であるアンドレアスの
考えたことは、すぐに想像がつきますね。もちろん救急病院へ
一度は向かうのですよ。その葛藤を映した後、彼はトリスタンの
アパートへと侵入すると、そこにはやはり汚れたおむつのまま
泣いているソーフスがいるのです。

自分の子供がいなくなったから、じゃあ代わりに他人の子供を、
という考え自体がおかしいけれど、これならアナの自殺は防げる
と思ったのでしょうね。しかしアナはなぜか頑なにこの子供を
受け入れず、思いがけない行動に出るのです。さらに、赤ん坊の
遺体を発見したトリスタンは、誘拐事件をでっち上げてしまう。


真夜中のゆりかご

全てを知っているアンドレアスと何も知らないシモンの取り調べは
どうしてもほころびが出るのですよ。サネはあくまでもあの赤ん坊
は、ソーフスでないと言い張るし、肝心の赤ん坊の遺体が消えている。

しかし、遂に遺体が発見され検死された時、ものすごい事実がわかる
わけです。それは、今まで自分が正しいと思っていたアンドレアスの
心を大きく揺さぶるもので、同僚シモンさえぶっ飛ばしてしまう。
ここで少し疑問なのは、離婚のショックかなにかで、酒に溺れた
シモンがなぜ急に酒断ちをしたのかということ。
そこは無視すると、シモンの言葉でアンドレアスは、何が正しいか
をはっきり悟るわけで、自分のとった行動が全ての間違いの始まり
だと気づくのです。
ラストシーンを見ると「何が正義」かとか「正義を語れるのは誰か」
など考えさせられます。


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ライフ・オブ・クライム

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ライフ・オブ・クライム

「ライフ・オブ・クライム」
原題:Life of Crime
監督:ダニエル・シェクター
2013年 アメリカ映画 101分
キャスト:ジェニファー・アニストン
     アイラ・フィッシャー
     ウィル・フォーテ
     マーク・ブーン・Jr.
     ティム・ロビンス

1978年、デトロイト。富豪フランクの妻
ミッキーを誘拐し、身代金100万ドルを要求した
ルイスとオデールは、愛人のいるフランクに支払い
を拒否される。彼らは次々と計画を変更していくが...。

<お勧め星>☆☆☆ 普通に面白いんですけど、もう
少しテンポを良くしたら秀逸なサスペンスコメディに
なったのに、という感じがします。


面白くなりそうで、あと少し...。スリルが出て来そうで
消えてしまう...。そんな中途半端な内容です。別にあくび
が出るほどダルくはなりませんから、見て損はないです。
「ジャッキー・ブラウン」(1997)の前章という触れ込みの
映画です。したがってルイス、オデール役はそれぞれ
ロバート・デ・ニーロ、サミュエル・L・ジャクソンの
若かりし頃の姿を演じているのです。オデール役は
「僕らのミライへ大回転」(2008)などのモス・デフが
ヤシーン・ベイと改名して演じています。


ライフ・オブ・クライム

一方のルイス役は「ウィンターズ・ボーン」(2010)で
失踪したオヤジを演じたジョン・ホークス。どちらもやや
パンチが足りないなあ。
さらにストーリーが、悪徳富豪フランク・ドーソンの妻
ミッキーを誘拐し、身代金100万ドルをせしめようとしたら、
フランクは愛人メラニーがいて、彼女の言うまま、身代金を
支払わないことから始まる、というまあよくある設定です。
所々笑わせるツボがあるのに、いまいち笑えません。うーん、
このコンビの会話もいまいちだなあ。


ライフ・オブ・クライム

そして誘拐したミッキー役のジェニファー・アニストンが
いつものように演じているのに、どうも魅力が半減している
気がするのです。なんならやり放題で、誘拐犯を困らせたら
いいのに、なぜかルイスと心を通わせ合ってしまうという
何とも中途半端な展開。そうなんですよ、誘拐犯が結構いい
人たちで、悪いのは、夫フランクとさらにはその愛人メラニー
という設定も話をつまらなくさせた原因かもしれません。


ライフ・オブ・クライム

誘拐犯のアジトとなり武器を提供するリチャードがものすごい
差別主義者で、ネオナチであるのは、何か意味があるのだろうか。
あんな旗を部屋に貼っていたら、不快に思う人々が多いはず。
序盤にミッキーを誘ってきたマーシャルの存在も全然笑えないし、
そもそも彼に意味があったのかしら?
あっというラストになるはずが、ごちゃごちゃしたあげく、割と
想定内のものになってしまいました。




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ある過去の行方

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ある過去の行方

「ある過去の行方」
原題:Le Passe
監督:アスガー・ファルハディ
2013年 フランス=イタリア=イラン映画 130分
キャスト:ベレニス・ベジョ
     タハール・ラヒム
     アリ・モサファ

フランスに住むマリーと正式に離婚手続きをするため
テヘランから夫アーマドがやって来る。マリーには
既に再婚相手サミールがいることを知ったアーマドは
彼には妻がおり、自殺未遂が原因で植物状態であること
を聞かされるのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 個々の人物描写は丁寧なのですが
相変わらず肝心なことははっきりわからない内容です。


監督は「彼女が消えた浜辺」(2009)、「別離」(2011)
のアスガー・ファハルディです。どちらの映画もイラン
社会における女性の苦悩を、小さな出来事をきっかけに
大きな波紋となっていく様子を映し出しながら描いていま
した。それが主演女優の美貌と重なってミステリアスな
雰囲気を醸し出しています。
オープニングの空港でのガラス越しでの会話シーンは、互い
の声が聞こえないため、無音であり、始まりから見事な演出
に驚かされます。


ある過去の行方

ヒロイン、マリー役は「アーティスト」(2011)でペピー役を
演じたベレニス・ベジョ。全然雰囲気が違っていて気づかず。
映画内では常に不機嫌で、かなりヒステリックであり、煙草を
頻繁にくゆらします。彼女には4年前、テヘランに行ったきり
戻ってこない夫アーマドがいて、今回、彼の帰国を待って正式に
離婚手続きをとるという話になっているのです。アーマドが
なぜテヘランに行ったきりだったのかとか、離婚手続きをなぜ
弁護士に任せなかったのかなどは、ほぼ説明がありません。
なにか理由を話していたけれど、ものすごく曖昧だったな。
そしてそのアーマドのために、なぜかホテルを予約しないマリー
は(本当に来るかどうかわからなかったからだそうです)自宅
に彼を泊めるのですが、そこには次の再婚相手サミールもいる
わけです。


ある過去の行方

そもそも車自体がクリーニングした衣服を積んでいて、男の
免許証が入っているし、家には知らない男児までいるから、
早々に事態が飲み込めるというもの。サミールの息子フアッド
はまた反抗的で、マリーは叱りつけてばかりなのです。さらに
マリーの子供、リュシーとレアという娘のうち上のリュシーは
サミールとの再婚に大反対で、毎日帰宅が遅い。


ある過去の行方

とはいえこの2人の娘はアーマドの子供ではなく、リュシーは
ブリュッセルに住む元夫が父親のようで、じゃあレアの父親は
?という問いの答えは見つかりません。2人とも「アーマド」
と彼を呼びます。
さらにサミールには、妻セリーヌがいて、自殺未遂で植物状態
だとわかるのです。自殺の原因は鬱病というが、これに関して
とてもミステリアスに話が展開します。つまりリュシーがなぜ
サミールを嫌っているかと言うと、母親と浮気をして妻を自殺
に追い込んだからと思っているからなのです。ふーん、ここまで
きてもマリーとアーマド、サミールの心の内が上手くわからない。

ついでにマリーは、再婚を決めたからサミールの子供を妊娠して
いると言うのです。フランス人は恋愛に奔放とは言いますが、
これはあまりにも自由すぎるんじゃないのかとちょっと理解不能。
そしてリュシーは、マリーとサミールのメールをセリーヌが自殺
する前日に彼女に転送したと告白するのです。ヒステリックな
マリーの声とそれをなだめるアーマドが対照的で、なんとなく
彼女と暮らせない原因が理解できたような気がします。ところが
このメールを送る転送先のアドレスをなぜリュシーが知ったのか?
話は、また謎めいてくるのです。
「電話で聞いた。すこし訛りがあるフランス語だった」
リュシーの言葉に、サミールは、自分の店で働く不法就労の女性
を思い浮かべるわけです。しかしそんなことより、マリーとの仲
はどうなるんだろう。マリーとサミールは互いに
「妻の(夫の)穴埋めにした」
と解釈し、サミールは
「お腹の子はなかったことにしてくれ。あれは事故だった」
とまで言うのです。
一方のアーマドも親しいイラン人の男性に
「両方での生活は無理だったんだ」

などと言われる。あれ?もしかして彼はテヘランに家庭があるの?
どれもこれもわからないまま、ラストはセリーヌの病室に座る
サミールが映ります。
嗅覚だけは残るらしい。と言うことで、彼女に好きだった香水を
持ってきたサミール。
「わかったら手を握り返してくれ」
一筋の涙がセリーヌの目から流れ落ち、カメラは彼女の指を大写しに
します。それは無意識の反応だったのか。それもまたわからないまま
エンディング。前の2作品に比べると、分からない度がさらにアップ
したという感じがしています。





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私の少女

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JUGEMテーマ:韓国映画全般

私の少女

「私の少女」
原題:a Girl at My Door
監督:チョン・ジュリ
2014年 韓国映画 119分
キャスト:ペ・ドゥナ
     キム・セロン
     ソン・セビョク

ソウルから田舎の漁師町に左遷されてきたヨンナムは
継父と義理の祖母から虐待を受けているドヒという
少女と出会う。彼女はドヒを救いたいがために、夏休み
だけ自宅に預かることにするのだが...。

<お勧め星>☆☆☆半 内容を盛り込み過ぎたために、
話の本筋がボヤけてしまったのが残念です。


ちょっとネタバレ
ソウルから左遷されてきたエリート警官、イ・ヨンナム
役は「空気人形」(2009)のペ・ドゥナです。もう
36歳になったようですが、いつまでも少女のような
ルックスとスリムなスタイルは魅力的。


私の少女

そして継父や義理の祖母から日常的に虐待を受け続ける
可哀想な少女ソン・ドヒ役は「冬の小鳥」(2009)の
キム・セロンです。あらら、すっかり大人っぽくなって
お目目もばっちり二重になったわねえ。


私の少女

ストーリーは、漁村の派出所に所長として赴任したヨンナムが
家族から日常的に虐待を受け、学校でもいじめに遭っている
ドヒを何とか救おうと奔走する姿を描きますが、学校に関しては
これ以降ほぼ触れられていません。なんでいじめられているのか、
それがなぜあっという間になくなったのかは、チラとドヒの口
から話されるだけです。
一方ヨンナム自身も、最初にたくさん持ち込んだのが、水だと
思ったら、どうやら酒であり、酒を大量に飲まないと眠れない
という何やら訳ありの様子です。その理由は彼女の左遷の原因
でもあるのですが、韓国社会の男尊女卑やマイノリティーへの
差別は日本以上に大きいようですね。とはいえ日本でも田舎で
あれば、同性愛カップルなんて大手を振って歩けるはずもない。
渋谷だから許されたんだよ。などと最近のニュースを見て思って
しまう。

ヨンナムは毎夜のようにドヒの泣き叫ぶ姿を目撃し、継父や義理の
祖母からの強烈な暴行シーンも幾度となく見るのです。


私の少女

彼女はドヒのことを考え、彼女に食事を与え、風呂に入れて
あげます。その時ちょっと躊躇するヨンナムが、彼女自身の
問題へとつながってくるのです。そしてドヒをいじめていた祖母が
事故死し、ヨンナムは、夏休みだけドヒを預かることに決めます。
このドヒの継父ヨンハが、大酒飲みで、飲むと女を殴るクズなん
だけど、労働力の少ない田舎町に不法就労者を斡旋していると
いうことで
「必要悪」として存在しているのです。この問題が絡んでくると
めっちゃややこしい。

さらにソウルからきれいな女性がヨンナムを訪ねてきます。
彼女とのキスシーンをなんとこのヨンハが目撃しちゃった!

それを後で利用するとは思わなかったな。あれはブローカーのボス
の入れ知恵にちがいない。
児童虐待から始まり、外国人不法労働者への搾取、同性愛、そして
極めつけの児童への性的虐待問題へと広がると、話のポイントが
霞んでくるんだよなあ。
ただ、「ドヒは実は怪物かも」とヨンナムに語った若い警官の言葉
を聞くと、なるほどその通りかもしれない、と思うのです。彼女は
最初からヨンナムに救ってもらおうと画策していたのでは?とまで
考えてしまいました。


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あいつの声

3
JUGEMテーマ:韓国映画全般

あいつの声

「あいつの声」
原題:Voice of a Murderer
監督:パク・チョンピョ
2007年 韓国映画 122分
キャスト:ソル・ギョング
     キム・ナンジュ
     カン・ドンウォン
     キム・ヨンチョル

1991年、TVキャスター、ギョンベの息子サンウ
が誘拐され、1億ウォンの身代金を要求される。夫妻
は身代金を用意し、犯人の指示通りに動くが、犯人の
指示はコロコロ変わり...。

<お勧め星>☆☆☆ サスペンスではなく事件解決の
ためのドキュメンタリー映画に見えました。


1991年、実際に起きたイ・ヒョンホ君誘拐殺人事件
を元に作られた映画であり、事件は2006年1月に
時効を迎え、今も未解決のままだそうです。映画の最後
には、実際の犯人の脅迫電話の声が流され、遺族の無念
さを物語っています。
とはいえ、映画として見ると、真犯人捜しの情報提供を
求めるために2時間近く、ほぼドキュメンタリー調の内容
を流し続けられた、という感が否めません。
この映画の売りは、犯人と目される人物をカン・ドンウォン
が演じており、キャップを目深にかぶっているとはいえ、
映画内で幾度となく姿が映り、声も聞くことができます。


あい

カン・ドンウォンって誰?こんなに素敵なモデル兼俳優
だそうです。タイプじゃないけど。
そして事件は、韓国国内で凶悪犯罪が多発していた1991年に
起きるのです。人気テレビキャスター、ハン・ギョンベと
ホ・ジソンの一人息子サンウが、公園から姿を消し、犯人からの
脅迫電話がかかります。


あいつの声

冒頭に映るぽっちゃりしたサンウへ、母が必死でトレーニング
やら治療やらを行う姿は、暗い映画の前ふりに使っただけなの
でしょうね。


あいつの声

このオ・ジソン役の女優さんは、実際のイ・ヒョンホ君事件の
父親の恋人だったらしく、必死の演技はそこから来ているの
かもしれません。ちょっとイライラする。
日頃凶悪事件を報道し、冷静な意見を述べていたギョンベも
自分が被害者となると、結局は同じように、何より息子の命
を考えるわけです。警察に言うな、という犯人の指示に従う
よう妻に命令し、金を借り、犯人の指定場所へ向かう。しかし
妻は既に通報しています。


あいつの声

韓国警察の無能ぶりはここでも描かれ、もはや定番のダメ刑事
だらけなんですよ。身代金受け渡し場所にサイレンを鳴らして
駆けつける?あほちゃう?誘拐事件は初動捜査が大事だという
なら、全然捜査にもなっていません。警官同士言い合いをし、
果ては被害者家族まで責める者も出てきます。イライラすること
間違いなしです。
事件の担当警官が犯人に拘束され、全裸で見つかったり、その
警官と息子との交流なんて、どうでもいい小ネタを入れ込んで
きますが、あまり本筋と関係ないな。
ラストも救いようがなく、2時間が長く感じる映画でした。



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リピーテッド

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リピーテッド

「リピーテッド」
原題:Before I Go to Sleep
監督:ローワン・ジョフィ
製作総指揮:リドリー・スコット
2014年 イギリス=フランス=スウェーデン映画 
92分
キャスト:ニコール・キッドマン
     コリン・ファース
     マーク・ストロング

クリスティーンは、ある事故の後遺症で、朝目覚めると
前日までの記憶がない。そんな彼女を夫のベンは、優しく
いたわるのだが、ナッシュという医師が彼女に新しい治療
を始めたことで、彼女は少しずつ真実を知るのだった。

<お勧め星>☆☆☆ サスペンスドラマなら楽しめるけれど
よーく考えると、ご都合主義のストーリーになっています。


主役のニコール・キッドマンとコリン・ファースが本当に
絵になるカップルなので、最初からひいき目に見過ぎたかな。


リピーテッド

始まりは、朝目覚めるクリスティーンの瞳が大写しになります。
このシーンは何度となく映画内で見られ、そのたびに記憶が
リセットされるのだなと感じるのです。
クリスは隣に寝ている男に「ハッ」とし、裸のままバスルーム
へ入って行くと、そこには、たくさんの写真が貼ってあるのです。
それは彼女の名前、夫ベンの名前、結婚式のものなどで、彼女が
記憶を失っていることがわかります。それも一晩眠ると昨日まで
の記憶をなくし、20歳前半に戻っているという。鏡に映る自分
の顔を見て愕然とするのはそれが40歳の自分だったからだね。
ここでニコールさんのきれいなお尻が見られるサービスあり。
クリスティーンは夫ベンによると、10年前に事故に遭い、その
後遺症で、一晩眠ると、前日までの記憶が無くなっている状態に
陥っているのです。この設定はちょっと無理があって、普通記憶
喪失になったら、全ての記憶が無くなるんじゃないかなと思う。
またその日1日はしっかり覚えているというのもあり得ない症状。
まあ、そこは映画だからと置いといて、そんな彼女にドクター・

ナッシュという男が連絡してくるのです。


リピーテッド

マーク・ストロングがまたカッコいんだなあ。これが不細工なら
信じなかったのかもしれないけれど、彼女はナッシュに言われる
まま「毎日をカメラに記録する」という治療法を受けることに
なるのです。それも夫ベンには内緒であり、カメラの存在を忘れ
ているクリスのために、毎朝それについて電話をかけるという。


リピーテッド

めちゃめちゃ怪しい申し出もなぜか、彼女はすんなり信じ、それを
毎日見ては、自分の姿を知っていくわけです。その過程で、ベンが
幾つか彼女に嘘をついていたことがわかるんだけど、ベンはちゃんと

説明してくれるから、彼女も納得。それにしてはたくさん秘密が
あり過ぎだよね。そんなこんなで、クリスはフラッシュバックする
記憶の断片から、頬に傷のある男、マイクという名前を思い出す
のです。この入り込ませ方は、陳腐だけれど、ちょっとレトロな
色調にして、「これが記憶」と見せてくれます。ありきたりの
演出かな。
中盤まではこんなシーンが続くので少し眠くなりますが、そこから
急転直下、すごい事実がどんどんわかってくるのです。それも
カメラに記録しているから、クリスは忘れない。ところがナッシュ
の名前が「マイク」であったことがわかり、彼の手から逃れようと
すると鎮静剤を打たれてしまいます。ニコール・キッドマンって
か弱くて、びくびくしている女性役をやらせたら天下一品ね。
そして彼女の友人クレアとも連絡が取れるのですが、クレアが
自宅に来たがらない理由なんてすぐにわかっちゃう。

何が怖いって女性に暴力を振るう男の姿ですね。ネタバレしないで
おきますが、あの人のあんな姿は見たくなかったわ。ラストは
あまりにあっけなく、もうひとひねりあってもよかった気がします。


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プリズナー

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プリズナー

「プリズナー」
原題:Take
監督:チャールズ・オリヴァー
2007年 アメリカ映画 98分
キャスト:ジェレミー・レナー
     ミニー・ドライヴァー
     ボビー・コールマン
     アダム・ロドリゲス

死刑囚のソールの元へ死刑執行当日、被害者家族
のアナが面会に訪れる。彼はどんな罪を犯し、
またアナは何のために彼と面会するのだろうか。

<お勧め星>☆☆☆ 暗くて地味な映画ですが、
まあまあよくできた内容です。


原題は「Take」。わたしは「奪う」とか「取る」
とかの意味だと考えたけれど、「囚人」という意味
というレビューもあるので、そこは見てから判断して
ください。
1人の女性アナが、アスカス刑務所に向かう車を運転
しています。時折、後部座席を見ては、息子ジェシー
の姿を確認したり、ジェシーがトイレに行く、と言って
車を止めるシーンが映るけれど、その画面は色調が違う
ことから、時間を交錯させていることが伺えます。


プリズナー

一方、ジェレミー・レナー演じるソールは、賭けのツケが
たまり、チャックに返済を迫られ、職場であるレンタル倉庫
の品を勝手に売りさばいて金に換えています。しかしそれを
ボスに知られ、あえなくクビ。


プリズナー

彼は貧しい生まれの上、病気持ちの父を抱えつつ、健気に働く
わけでもなく、ギャンブルに溺れるというどうしようもない男
なのです。
そのソールが冒頭死刑を待つ囚人服姿でいることから、何か
大それたことをやらかしたのは明白なのです。それは何か、
過去と現在の映像をアナとソールの視点から描いていき、
終盤一気に事の顛末を映し出すのです。そこに至るまでに、
ジェシーは実は5分と座っていることができない5歳児程度
の知能しかない少年であり、学校からは支援学級に通うことを
伝えられるシーンが映ります。アナは
「この子はなんでも聞いているし理解している。この子を理解
できる教師がいないのよ。」

と言いますが、ジェシーの姿を見ていると、やはり難しいと
実感してしまいます。日本ならどうなのだろう。個人の個性を
大事にするアメリカですらこうなのだから、日本では最初から
普通学級には入れないだろうな。その上、彼らを指導する教員
のスキルも低いのだろうな。と考えると心が暗くなります。
とりあえずアナは夫と相談し、支援学級通学のための学費を稼ぐ
ために、仕事を掛け持ちすることにするわけです。そして母子
でスーパーへ買い物に行くと、そこに自動車泥棒に失敗した
ソールが父の薬を買いにやって来ます。この偶然の遭遇が彼らの
不幸の始まりなのです。

ジェシーがトイレに行っている時、ソールは強盗をしようとして
誤って店員を撃ってしまう。そこにジェシーが出てきたので、
ソールは彼を人質にして金を奪って逃亡しようと試みます。

大量に出血する店員、ひたすら叫ぶアナ、通報しようとする
客、そして、車のトランクにジェシーを入れて急発進するソール
などが次々に映り、緊迫感のあふれる映像となっています。
「10分待って、と言ったから通報しないで!息子が危険なのよ!」
叫ぶアナと息が浅くなる店員、そして通報する客。一方ソールは
トランク内でパニックを起こしているジェシーに気を取られ、
交通事故を起こしてしまうのです。車は道路を落下し、大衝撃を
受けます。この素早い展開と、トランクを開けようとするソール
の姿、トランク内で苦しそうな声で母を呼ぶジェシーは、点滅する
車のランプが次第に消えて行くことが、彼に何が起きたか容易に
想像できます。

そして冒頭のシーンに戻るのです。何が起きたのかすべて理解した
上で、見ている側はアナがなぜソールに面会を求めたのか考える
ことになります。ジェシーは
「本当にすまなかった。俺はお互いに人生を想像していた」
と言うのです。どちらも裕福ではないし、恵まれた環境に暮らして
いたわけではなかった。そこで出会わなければ、こんなことも
起きなかったということでしょうか。
「許さなければ」
と最後にアナは言い、刑務所敷地に車につけてきたトレーラーを
置いて去るのです。それは彼女が被害者であることからの再生を
意味しているのですね。


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サークル

3

サークル

「サークル」
原題:Circle
監督:アーロン・ハン
   マリオ・ミショネ
2015年 アメリカ映画 86分
キャスト:ジュリー・ベンツ
     マット・コーボイ

50人ほどの見知らぬ人々が、どこかわからない場所で
輪になって立っている。彼らの足下には赤いランプがついて
おり、そこを離れたり、他人に触れると命を落とす。やがて
彼らはランダムに2人ずつ死んでいくことを知るのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 人間の醜さを短い時間に特異な空間
を使って描いています。ラストはいまいち。


冒頭はよく意味がわからないのです。とりあえず見知らぬ
50人ほどの人間が丸く輪になって立っています。その中央
には何かわからない機械が動いている。そして人々は、老若
男女様々で、子供や妊婦も含まれています。さらに人種や国籍
もいろいろらしい。さらに彼らの足の下には丸い赤いランプが
ついていて、そこから離れようとした人や、隣の人に助けを
求めた人は倒れていきます。つまり彼らはその位置から逃れ
られないのです。


サークル

誰がなんのために?と考えるうちに、中央の機械がまるでルーレット
のように動き、ある人物をさすとその人物はやはり倒れます。その
ルールすらわかりません。ただ次第に彼らは、誰かを狙うともっとも
数の集まった人物がターゲットになるとわかってくるのです。その
方法は手をぐっと握って光にかざす...のかな。ここはよくわから
なかった。
ただターゲットを選べることを知ると、彼らの中で醜い争いが始まる
わけですよ。とにかく助かる方法を考える時間を持とう。じゃあ次は
誰にするか。


サークル

まず年長者から行こう。十分生きただろう?
次は不法滞在者。そして犯罪歴のある人間。さらに人種差別をするな
と言っていた本人が、ものすごい差別主義者であることもわかって
しまう。人を蹴落としてでも生き残ろうとする者もいれば、他人を
救うために、自ら台から降りる者もいます。この辺りは人間社会の
縮図を描いているようで見ていてやや気分が悪くなります。
次は、不信心者、同性愛者、豊胸手術を受けた疑いのある人物など
世の中で、表立っては誰も口にしないけれど、心の中で差別扱い
をしがちな人々を露骨に貶めるような発言が飛び交うのです。
こういう空間では必ずリーダーシップを取ろうとする人物が数人
現れるわけで、ここでも仲間を増やす醜い争いが繰り広げられます。

さて誰が生き残るのか。ラスト付近にひとひねりありますが、その後
見せられたシーンの意味がよくわからなかった。
醜い人間模様はスリルがあったけれど。


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