WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜

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wood job!

「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」
監督:矢口史靖
原作:三浦しをん「神去なあなあ日常」
2014年 日本映画 116分
キャスト:染谷将太
     伊藤英明
     長澤まさみ
     優香
     西田尚美
     マキタスポーツ

志望大学に落ち、彼女にもフラれた勇気は、偶然
見つけた林業研修のパンフレットの表紙の美女に
魅せられ、研修に参加する。しかし研修は厳しく
先輩のヨキは粗野で乱暴であり、勇気は脱走を考え
るのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆ 全然ノーマークで見たのです
が、見終わるととてもすがすがしい気分になります。


主人公の平野勇気役は、今が旬かつ菊池凛子さんとの
路上チュー写真を撮られちゃった染谷将太。


wood job!

彼は大学に落ち、彼女にもフラれ、特に目的もないまま
宙ぶらりん状態にある青年をうまく演じています。
そもそもちゃらんぽらんな性格なので、「緑の研修生」と
いう林業研修のパンフレットの表紙に美女が写っていると
本当に彼女に会えるのだと信じてしまうのです。はい、この
美女役は長澤まさみさん。

実は林業という仕事は、普通の生活ではなかなか接触する
機会のないものであり、この映画を見て知ることはたくさん
あります。そもそも木の切り方なども初めて見ました。毎年
植樹し、伸びた木の枝を伐採し、それらの仕事の結果は自ら
の死後に出る、というとてつもなく壮大なスパンで考えられて
いる仕事なのです。

で、この脳天気な勇気は、現地に到着した途端、携帯が圏外
とわかり、さらに虫が出るは、山から何かの雄叫びが聞こえるは
マムシが出るはで早速帰ろうと決めるのです。が、次の電車は
6時間後。時刻表の空白が大きすぎて悲しいです。
渋々参加した研修では、伊藤英明演じる地元の先輩の飯田ヨキの
熱血指導に勇気は速攻叱られるのです。この組み合わせは
「悪の教典」(2012)と一緒ですね。


wood job!

伊藤英明のご自慢の肉体美は終盤にしっかり見られます。やや
かっこよすぎるけれど、女好きという設定はよく合っています。
そして1年の居候生活が始まり、勇気は中村林業の世話になる
のです。それはもう田舎の中の田舎というから、もう想像を
絶する田舎です。道にはヤギをひくおじいさんが歩いていきます。
道端でマージャンをするばあさんたち。皆知り合いなんですね。
ところがここでなんと勇気は例のパンフレットの美女と再会?
するのです。しかーし、彼女、直紀は苦い過去を持っていて
勇気など相手にしませ
。長澤さん、色気を捨てて頑張って
演技しています。
一方の勇気は、車にぶつかった鹿が夕食の食卓に並んだり、
マムシ酒を勧められたり、夜中に水を飲もうとするとコップに
入れ歯が入っていたりともう散々な生活を送るのです。何度も
脱走を企てるんですよ。それでも何とかこの山での生活に慣れて
いくわけです。これは誰でもできるわけではなく、おそらくは
勇気本人がこういうゆったりとした生活に向いていたということ
でしょうね。
後半「山どめ」の日に、山へ入り込んで行方不明になった少年を
捜す時、その勇気の手を引く何者かが現れます。その手にはご飯粒
がついていて、そうか、あの時のおむすびか、と座布団1枚あげたい
くらいの上手いつながり方です。
そしてクライマックスの神事「オオヤマヅミ」は、緊張感が張りつめ
ます。そこで起こるまさに珍事。


wood job!

2か月間にわたって三重県の山間部でのオールロケだったそうですが、
変わりやすい山の天候と、緑豊かな景色が重なって、臨場感あふれる
内容を演出しています。
ラストは予想通りでしたが、登場人物がみんな憎めないいい映画に
なっていると思います。





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偉大なる、しゅららぼん

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偉大なる、しゅららぼん

「偉大なる、しゅららぼん」
監督:水落 豊
原作:万城目学
2014年 日本映画 114分
キャスト:濱田 岳
     岡田将生
     深田恭子
     渡辺 大
     貫地谷しほり
     
琵琶湖畔の町、石走で先祖代々の不思議な力を
受け継いできた日出家へ分家の息子、涼介が修行
に訪れる。そこには同級生の淡十郎という息子が
いたが、彼は殿様のような暮らしをしており、入学
した高校には、対立する棗家の息子広海もいるの
だった。

<お勧め星>☆☆☆☆ 原作も面白かったけれど
それをうまく映像化していると思います。


原作は「鹿男あをによし」「鴨川ホルモー」などの
万城目学。原作本についても評価が分かれていると
同様に映画も評価が分かれています。個人的には
原作のポイントをうまく押さえて作られた楽しい映画
だと感じました。
琵琶湖近くの町、石走駅に降り立つ日出涼介役は私の
大好きな岡田将生クン
ハート町のほとんどが日出家関連の会社
であることからわかるように、日出一族は、代々この町の
主として君臨してきたのです。涼介が向かったその本家は
なんとお城です。とりあえず登場人物をさらりと前半で紹介
していきます。細かいエピソードは割愛してあり、ほとんどが
口での紹介なんだけれど別に気にならず。役と俳優のイメージ
がぴったり合っているのも気分がいいです。


偉大なる、しゅららぼん

ただ日出家の長女清子役の深田恭子が、原作では「キヨコング」
と淡十郎に陰で呼ばれていたほどの体格であったこととは
打って変わり、かなりきれいで、ただのひきこもりどS
女性になっています。スタイルがやけにいいのよ。


偉大なる、しゅららぼん

そして日出家と対立する棗家の長男、広海役は、渡辺大。
どう見ても高1には見えない。いや他のメンツも全部そうか。
だから許す。
日出家は精神を、棗家は肉体を操るパワーを持っていて、
その修行のため、涼介は本家に呼ばれ、師匠藤宮壽子から
訓練を受けるわけです。貫地谷しほりはどんな役もできる
わねえ。
ところが両家のパワーを跳ね返す、違う力の持ち主が出現
したのです。さあどうするか。終盤はCGを駆使しつつ、
笹野高史と濱田岳の熱演でジンときます。そこが大事なのは
わかるけれど、やや長いかな。
ラストは「しゅららぼん」の意味がわかり、またずっこけます。
楽しい映画です。



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落語娘

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落語娘

「落語娘」
監督:中原 俊
原作:永田俊也
2008年 日本映画 109分
キャスト:ミムラ
     津川雅彦
     森本亮治
     伊藤かずえ

亡き叔父の影響を受けて落語の世界に飛び込んだ
香須美は、女であることと、異端児である師匠の
せいで3年間前座のままである。その師匠が突然
40年間封印されていた呪われた噺に挑戦すると
言い始めるのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆ 「おあとがよろしいようで」
まさにその通りの話です。


落語をする女性の話というと、2007年のNHK朝ドラ
「ちりとてちん」を思い出します。貫治谷しおり主演で
笑いと涙に包まれながら、主人公が落語家として成長して
いく内容でした。
この映画はというと、ミムラ演じる主人公の三々亭香須美
の成長というより、師匠、三々亭平佐との師弟の絆の話の
ようです。

冒頭、香須美がなぜ落語の道をめざし始めたのかが語られ、
ストーリーにすんなり入っていけます。ただ、この子役は
可愛いくない。そして高校、大学で落研で活躍し、遂に
あこがれの三松家柿紅に弟子入りを求めるシーンから一変、
津川雅彦演じる三々亭平佐が師匠になっており、その師匠
から金の無心をされるシーンに映ります。


落語娘

彼女はなぜこのダメ師匠のもとに入門することになったのか
それも中盤にはうまく描かれており、伝統芸能の中での
女性の活躍の難しさを実感します。


落語娘

ろくに弟子の修行もしないのに、有名な落語家の息子や孫と
いうだけで大きな顔をする若い男の子も映り、なんだか本当
のことのような気がしちゃう。
但し女性落語家の成長話はそこまでで、師匠が禁断の噺
「緋扇長屋」という作品を演じるという状況になると、やや
ホラーっぽくなります。日本の怪談話はとても怖い。しかし
やはりダントツの演技力の津川雅彦が、笑わせたり、怖がら
せたり、呆れさせたりと、様々な表情を見せてくれます。
ミムラも新鮮だし、演技力もあると思いますが、そこは格が
違いますね。

原作を知る方には、やや話が薄っぺらく思えたようですが、
映画だけ見るととてもおもしろかったです。
ネットカフェでミムラにクレームを言いたいのにうまく言えない
オタク役の春風亭昇太がとてもおかしいです。


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百万円と苦虫女

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百万円と苦虫女

「百万円と苦虫女」
監督:タナダ ユキ
2008年 日本映画 121分
キャスト:蒼井 優
     森山未來
     ピエール瀧
     竹財輝之助
     笹野高史

21歳の鈴子はひょんなことから前科持ちになって
しまい、見知らぬ街で暮らし始める。彼女はそこで
100万円貯めては次の街へ移動するという生活を
送っていたが、そこには様々な人々が待ち受けている
のだった。

<お勧め星>☆☆☆☆ とにかく蒼井優ちゃんが可愛い。
ストーリーもわが身に置きかえることができるものです。


「自分を知っている人がいない場所で暮らしてみたい」
人間だれでも1度や2度はそう考えたことがあるでしょう。
この映画は、普通の人が普通に暮らしていくことの難しさ
も物語っているような気がします。その普通とは何か?と
言われると答えられないけれど。

蒼井優演じる佐藤鈴子は、バイト仲間とルームシェアを
始めるはずが、なぜかその恋人も含めて3人での暮らしと
変わり、そして引っ越しの初日には、バイト仲間は恋人と
別れていて、恋人だった男だけがやって来ます。
チョー感じ悪い男は、鈴子が保護した猫を捨て、怒った
彼女は男の荷物を全て捨ててしまうのです。この猫の件は
許せません。それでいてこのクソ男が刑事告訴したために
鈴子は前科持ちになってしまうのです。痴情が絡んでいたら
民事訴訟になるんだって。変なの。
「ヤっとけばよかった」
とつぶやく鈴子。

前科者になってしまった彼女は自宅でも居心地が悪くなります。
冒頭から、拘置所を出て自宅に戻り、家族4人で団らんのはず
が、なぜか次々と口論を始めて行くシーンまで、たたみかける
ように映像がくり出され、追い詰められていく鈴子の気持ちが
手に取るようにわかるのです。
そして「100万円貯まったら次の街へ行く」と決め、家を出て
まずは海辺の街へ。そこの海の家で働くと「かき氷上手」である
ことがわかるも、ナンパ男に接近されます。


百万円と苦虫女

次は山間の桃農家。そこでは「桃もぎ上手」と言われますが、
なぜか村おこしのための「桃娘」に推薦されてしまう。


百万円と苦虫女

どこに行っても他人と関わらずに生活することは難しいのです。
そしてつらい現実や問題にぶつかると、鈴子は逃げることばかり
考えます。「自分捜しではなく、自分を捜したくない」と彼女
が言う通り、自分を知ることで周りからどう思われているのかが
分かってしまうのが怖いのです。そんなこととっくに知っている
のにね。

弟拓也には定期的に手紙を書いているのです。しかしその拓也は
学校では陰湿ないじめに遭っているのです。言えないよね。
「こんなバカとは違う中学に行くんだ」
いや、その前にこんなバカがいる学校を休もう。それか転校しよう。
鈴子が次に向かった地方都市では、ホームセンターでアルバイト
を始めます。


百万円と苦虫女

そこで知り合う森山未來演じる中島亮平には、鈴子はなぜか
身の上を全て話すことができるのです。その後、その場を立ち
去り、めっちゃ早歩きになる鈴子とそれを追う亮平の姿はとても
おかしい。楽しい時間も、亮平の大学の後輩がバイトになった
ことから、少しずつ減って行きます。そしていつの間にか亮平が
鈴子に金を無心し始めるのです。その理由は最後にわかるけれど
ちょっとこじつけっぽいなあ。そこを抜かすと、ラストの鈴子の
爽やかな笑顔が良かったです。


百万円と苦虫女

こんな可愛い入浴シーンもあるんですよ。

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トリック劇場版 ラストステージ

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トリック

「トリック劇場版 ラストステージ」
監督:堤 幸彦
2014年 日本映画 112分
キャスト:仲間由紀恵
     阿部 寛
     生瀬勝久  
     野際陽子
     東山紀之


天才物理学者、上田の元へ商事会社員、加賀美
がある依頼を持ち込む。それはレアアース採掘
計画の障壁となっている現地の呪術師の謎を
暴くというものだった。彼は山田を連れて現地へ
向うのだが...。


<お勧め星>☆☆☆☆ シリーズ完結編。よかった。

最近見た「SPEC 結」よりずっとおもしろいじゃん。
冒頭、天才物理学者、上田次郎の元へ、村上商事の
加賀美慎一という男がある依頼に訪れるのです。この
役は東山紀之。ズボンあげすぎ。
村上商事→村上ショージ、なんて小ネタから始まるも
すぐに1名が呪術師の預言通りに死亡。レアアース
採掘の中止を求めて呪術師が呪いをかけたと言うの
です。早速上田は山田奈緒子を引き連れ(彼女はパス
ポートがないから、出国まで時間がかかる)一路赤道
直下の国へと向かいます。どうもマレーシアらしい。


トリック

そして川島という資源開発業者と谷岡という医師も
同行します。この谷岡役の北村一輝がオネエ医者を好演。
なぜにオネエ?と思いますが、内股走りや上田への色目
使いは笑っちゃう。
そして現地のムッシュム・ラー村では、なぜか矢部が村人
に捕まっています。彼は部下と共に例の村上商事での事件
を調べるためにやって来た模様。かぶりものを取らないと
通ってはいけない場所をそのまま進んだから、というのが
拘束の理由だって。最後までここを強調ですね。そして
山田の機転で矢部が逃げ出せると、村人たちが

「SPECホルダーだ」

と現地の言葉で言っている。どこまでおもしろいんだい。
さて、この、村の呪術師ボンイズンミ役は、水原希子。


トリック

彼女はオスカーゴリ押し女優の1人だけれど、無気味な役が
似合うんだよね。このお面の下は誰かな〜と考えていると、
あの顔が出る。メイクがよくマッチしています。この場所を
訪れる日本人の言葉から覚えた日本語が、男だか女だか
わからない言い回しをしたりして、その脚本もおかしいです。
そして川島が呪いによって?殺され、ボンイズンミを襲った
谷岡も何かに襲われます。谷岡のその時の動き方は、

「SPEC」でミイラから復活した吉川のものと同じ。うまい!
結局、川島、谷岡が死に至る経緯には、あるからくりがあった
のですが、それに気づくのはもちろん山田です。
ラスト付近の地底での爆発シーンは、冒頭の山田へのドッキリ
爆発シーンをよく覚えておくと、ふふーんと納得します。
でもエンドロールの後の本当のラストシーンは、シリーズの
14年を思い起こさせるもので、結構感動?しました。




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パレード

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パレード

「パレード」
監督:行定 勲
2010年 日本映画 115分
キャスト:藤原竜也
     貫地谷しほり
     香里奈
     林 遣都
     小出恵介

連続女性殺人事件が頻発する地区のマンションで
ルームシェアをしている直輝、琴美、未来、良介。
ある日、未来が酔った勢いでサトルという青年を
連れ帰るのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆ 登場人物の個性が上手く表れて
いて、それがラストに空恐ろしく感じられるのです。


原作は吉田修一の同名小説ですが、未読です。なので
先入観なしで鑑賞。
冒頭、連続女性殺人事件のニュースがテレビから流れる
部屋で、眉毛を抜く琴美が映ります。この役は貫地谷しほり。
その前に上空を飛ぶヘリコプターの音で目を覚ます良介
がいたか。この役は小出恵介。彼は一応大学生らしいけど
特に真面目に勉強している風でもないです。で、琴美と
同棲しているのかと思ったら、他にも映画配給会社勤務の
直輝やイラストレーター志望の未来が住んでいて、つまり
4人でルームシェアをしているわけです。


パレード

この4人がいつから、そしてどういう理由でルームシェアを
始めたのかは一切描かれません。直輝役の藤原竜也の演技は
もう安心の域に入っていますが、未来役の香里奈が素で演技
しているようで、ちょっと前にあった彼女のスキャンダルを
思い出しちゃった。プッ!
ある朝、その部屋にサトルという青年がいるのですが、誰もが
普通に接します。誰が連れてきたのか、なんでここにいるのか、
皆ほとんど関心がないんですよ。いや関心があるように見せない
のかな。サトル役の林遣都はお尻を見せすぎ。でも可愛い。


パレード

隣の部屋は売春宿だと思い込み、琴美にそそのかされて潜入
したり、先輩の恋人に二股かけられても平気な良介、人気俳優
との秘密の恋にのめりこんでいる琴美、父親の暴力に怯えた
子供時代をひきずる未来、そして男性相手の商売をしている
サトル。直輝は唯一、この部屋で皆に頼られ、自分がここでは
優位に立っていると考えているわけです。

この5人が、誰にも知られたくないし、知られるはずもない秘密
は実は、他の住人は全部知っていて、そのことにお互い気づいて
いないだけということを終盤に知ります。
それは中盤にサトルが
「あの部屋の住人はバカばかり。でもなんか居心地がいいんだ」
という言葉からもうかがえるのです。
そしてラストに4人から直輝に向けられた鋭い視線。未来の
「直輝も行くよね」
という言葉は、「居心地のいい場所」=「抜けられない場所」
であることを意味していたのでしょうか。

幾つもの宇宙があり、誰もが知っている「真実」というものは
そこには存在しない。わかったようなわからないような。でも
なかなか面白い映画でした。



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武士の献立

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武士の献立

「武士の献立」
監督:朝原雄三
2013年 日本映画 121分
キャスト:高良健吾
     上戸 彩
     余貴美子
     西田敏行
     夏川結衣
     成海璃子

江戸時代、加賀藩江戸屋敷で女中として使えるお春
は、料理方の舟木伝内にその才能を買われ、跡継ぎの
嫁として迎えられる。跡継ぎの安信は、剣に未練が
あり、料理の腕はさっぱりで、お春が指南役として
料理を教え始めるのだが...。

<お勧め星>☆☆☆☆ 加賀の豪華な料理に目を奪われ
つつも、包丁侍夫婦の人生を楽しむことができました。


「武士の家計簿」(2010)も加賀藩を描いた、とても
楽しくそしてちょっとじんわり来る映画でしたが、こちら
も加賀藩で、侍と言えども刀ではなく、包丁を持って
自らの任務を果たす男とその妻の姿を、同じく笑いあり、
涙ありの悲喜こもごも混在させて描いたステキな映画と
なっています。
お春役は上戸彩。


武士の献立

笑顔も泣き顔も怒った顔もすべて可愛いです。表情が豊か
ですね。そのお春は、加賀藩第六代藩主、前田吉徳の側室
お貞の方付きの女中であり、幼い頃から、彼女を母親の
ように慕って育ってきたのです。実はそのお貞の方は、
藩主の側近、大槻と好き合う仲なのですが、それは後の
加賀騒動にも大きく絡んでくるのです。とはいえ、歴史に
全く疎いので、加賀といえば百万石。そして金沢城、豪華絢爛
としか思い浮びません。トホホ。
ひょんな出来事から、加賀藩の台所御用役、舟木伝内にその
才能を見いだされ、出戻り、かつ4歳も年上であることなど
全てチャラにして、伝内の跡取り息子、安信の嫁になるお春。
安信役はとても美しい高良健吾。


武士の献立

終盤にふんどし一丁で水を浴びるシーンがあって、それもまた
美しいのなんのって!

しかし当の安信は実は次男であり、長男が病死したために急遽
料理方になる道を選ばざるを得なかったのです。だから、剣は
得意だけれど、料理なんて全然好きじゃない。いやいや里いも
の皮をむく姿に十分現れています。さらに剣の道場の娘、佐代
に心を寄せていたのに、そんなわけであきらめざるを得ず、親友
が彼女と結婚しています。なんとも悲しい。

だから4歳年上の口うるさい女房を「古ダヌキ」呼ばわりするん
ですよ。可愛い彩ちゃんに失礼だわ。
この夫婦の日常と、加賀騒動に揺れ動く藩の様子、それに翻弄
される友人たちなどを描きながら映画は進みます。
ラスト付近に見られる饗応料理はものすごく豪華で、いったい
何膳あるのかしら、食べきれるのかしら、などといらない心配
をしてしまいました。
舟木家は明治に至るまで、7代にわたって加賀藩の料理人を務め、
レシピ本も出したとのこと。舌は才能の1つなのですね。





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風立ちぬ

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風立ちぬ

「風立ちぬ」
監督:宮崎 駿
2013年 日本映画 126分
キャスト:庵野英明
     瀧本美織
     西島秀俊
     西村雅彦
     風間杜夫

飛行機の設計技師をめざす堀越二朗は、関東大震災
の時、同じ列車に乗っていた菜穂子という女性を助ける。
彼はその後就職し、飛行機を作るために日夜研究を重ね
るが、ある夏避暑地で菜穂子と再会するのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆ エンドロールに流れる「ひこうき雲」
が懐かしい。そして監督の静かなメッセージを感じることが
できます。


大正末期から昭和初頭、世界は限りなく大戦へと近づいている
中、日本では関東大震災が起こるのです。その時同じ列車に
乗り合わせていたのが堀越二朗と里美菜穂子。二朗役の声優
には賛否両論ありますが、わたしはあれでよかった気がします。
二朗のひょうひょうとした雰囲気によく合っていました。
二朗は菜穂子とお手伝いのお絹を助けるのです。燃えさかる家々
や立ち上る煙、そして真っ赤に染まる空などが、これから始まる
不気味な世相を反映しているようでした。それとは逆に美しい
青空や真白な雲も映るシーンが見られ、青年の夢をそのまま映像に
しているかのように思えます。


風立ちぬ

二朗はサバの骨のような美しい曲線を描く飛行機を作りたい、という
夢を持ち、就職してからも日夜、その設計に明け暮れるのです。
そうそう映画内で「シベリア」というあんこをはさんだカステラ
のような食べ物が出てきますが、昔見たことがあるような。でも
そんな名前ではなかった気がする。地方によって名称が異なるの
かな。
時折、二朗が夢を見るシーンが入り込み、その中で、イタリア人
設計家カプローニと語り合います。これはこの映画に置いて結構
重要なシーンだと思うのですが、序盤はやや違和感を覚えました。
そしてある夏、二朗は菜穂子と再会します。彼女との恋物語は
幾度となく映るパラソルが風に飛ばされるシーンと重なり、美しい
けれどはかなく感じられるのです。


風立ちぬ

自分の夢を追いつつ、菜穂子との限られた時間を大切にする二朗。
彼女の元へ向かう列車の中でも設計をしながら、そのノートに
落ちる彼の涙の粒は、見る者を切なくさせます。
そして遂に彼は夢を実現させ、零式艦上戦闘機を完成させるのです。
「ぼくたちは戦う飛行機ではなく、美しい飛行機を作りたい」

二朗はそう願って設計し続けたのですが、結局は戦闘に使われ、
最後にはろくに操縦もできない兵士が、整備不良のまま飛行し、
目的地に到達することなく散って行ったのです。そこを語ると
際限がない。
ラストに二朗は夢の中でカプローニにこう語ります。
「1機も戻ってこなかった」と。
その虚しさは、監督の反戦への強いメッセージと重なりました。
「生きて」という菜穂子の言葉に表れています。


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清須会議

3
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清須会議

「清須会議」
監督:三谷幸喜
2013年 日本映画 138分
キャスト:役所広司
     大泉 洋
     小日向文世
     佐藤浩市
     妻夫木聡
     鈴木京香

本能寺の変により織田信長が暗殺され、織田家の後継者
を巡って清須会議が開かれることになる。柴田勝家と
羽柴秀吉は、その後継者を巡って対立し、様々な駆け引きを
巡らすのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆ 歴史に疎いのでこの会議自体
知りませんでしたが、三谷ワールドにぐいぐい引き込まれ
ます。


三谷幸喜監督のNHK大河ドラマ「新撰組」同様に、歴史上の
重要人物の特徴をうまくとらえ、コメディ要素を組み入れながら
的確に描いています。
個人的には、お市の方役の鈴木京香がよかったな。彼女がなぜに
秀吉を嫌うのか、そして最後に彼女が秀吉への最大の復讐として
選んだ方法には驚かされます。映画の中では、「香」が好きを
勘違いした勝家が「らっきょう」を持参したり、秀吉の手土産を
ポイと放り投げたり、と彼女の意志の強さをこれまた笑いを交え
ながら映し出していくのです。


清須会議

羽柴秀吉役は大泉洋。「探偵はBARにいる」でもそうでしたが、
ただのコメディ俳優ではなく、要所要所を手堅く締めています。
特殊メイクを施したその風貌は、まさに「サル」。

清須会議

そして織田家に忠実に仕えながらも、お市の方にぞっこんの
柴田勝家役は役所広司。武骨で脂ぎっている姿がまことに上手に
演じられています。
彼は不器用がゆえ、どこかズレているのもまたおかしいのです。
さらに織田家の人物は、皆「鼻」が高い。その「鼻」で血筋を
表しているのです。信長の二男でありながら、少々オツムが弱い
信雄役の妻夫木聡がまるで水を得た魚のように演じています。
そうだよ、キミにぴったりの役じゃないか。旗獲り合戦は大笑い
ものです。
織田家の跡目と領地配分を巡る会議として開かれる「清州会議」
は1人の家臣の到着の遅れから、2日、3日と延期されていき、
その間に柴田側と羽柴側がそれぞれの思惑から、様々な策略を
巡らしたり、後ろ盾となる人物に取り入ったりする姿は、戦を
描いているよりも楽しいです。
時折映る、到着が遅れている滝川左近が、山中で出遭うのが、なんと
「更科六兵衛」。ここは「ステキな金縛り」を見ておいてよかった。
それにしてもちっとも清州にたどり着かないなあ。
秀吉の妻、寧々役を演じた中谷美紀が映画の中で踊るのは「くつわ踊」と言われ、愛知県無形文化財だそうです。中谷さん、ものすごく
上手に踊っています。
秀吉の先見の明を感じさせる映画でしたが、とにかく面白かったです。



 
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四十九日のレシピ

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四十九日のレシピ

「四十九日のレシピ」
監督:タナダユキ
2013年 日本映画 129分
キャスト:永作博美
     石橋蓮司
     岡田将生
     二階堂ふみ
     原田泰造

夫の不倫が原因で離婚を決意した百合子は、妻を
亡くしたばかりの父の元へ帰ってくる。そこには
イモという少女がおり、亡き母の依頼で四十九日間
お世話をすると申し出るのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆ とても心に響くいい映画ですが、
ラストが個人的にはちょっと残念。


オープニングは、永作博美演じる高岩百合子が夫の不倫
相手からの電話を受けるシーンです。
「子供ができたから、早く離婚してよ。」
という相手の言葉。部屋に山積みになっている不妊治療の
本。そして遠くから百合子の介助を求める姑の声...。
どよよ〜ん。
一方、彼女の父、熱田良平は妻、乙美を突然亡くし、自宅
で放心状態でいるのです。散らかった部屋。食器のたまった
シンク。いつも怒鳴ってばかりで、最後の会話も妻を叱った
ものだった...。
どよよ〜ん。


四十九日のレシピ

そのどんよりを晴らしてくれるのが、ゴスロリファッションと
濃いメイクで登場するイモトサチエです。二階堂ふみが可愛く
暗い過去をさらりと言ってのける、何かに吹っ切れた少女を
好演しています。彼女はリボンハウスという更生施設出身で
そこで乙美の世話になり、乙美から「四十九日のレシピ」の
実戦を頼まれていたのです。
出戻りかけている百合子と父の確執は、実は乙美が父の再婚相手
だったことから始まっており、実の母を知らず、さらに今も
母親になれない自分をひたすら嘆く日々を送っています。そこに
夫の不倫相手に子供ができたことへの衝撃も加わり、抜けられない
暗く長いトンネルの中にいるようなのです。
そこへさらにハルノスケという日系ブラジル人が登場。岡田将生
クン、す・て・き♡


四十九日のレシピ

彼らの底抜けに明るい雰囲気についつい飲みこまれ、父娘は
亡き妻、母の「四十九日のレシピ」を開始することになるのです。
母の残した様々なレシピは、すてきなイラストで綴られ、それに
ついて終盤に
「乙美さんは母親を空襲で亡くしたから、幼い頃から母親を
知らない。だから「お母さん」から教わることを人から教わるごとに
記録していったのね。」
と聞かされた父娘は、彼女の思いを一気に知ることになるのです。
「みんなで楽しく大宴会」
四十九日をどう執り行うか。
時々登場して父や百合子に、厳しい言葉を投げかけていく伯母タマコ
は亡き淡路恵子。


四十九日のレシピ

それぞれの個性が如何なく発揮されて、とても素晴らしい映画だった
と思ったのですが、跳び箱の踏切板を踏んで巣立っていく中に、百合子も含めてほしかった、というのが実感です。




 
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