黄色い星の子供たち

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    JUGEMテーマ:洋画
     
    黄色い星の子供たち

    「黄色い星の子供たち」
    原題:la rafle
    監督:ローズ・ボッシュ
    2010年   フランス=ハンガリー=ドイツ映画  125分
    キャスト:ジャン・レノ
         メラニー・ロラン
         シルヴィー・テステュ
         ガド・エルマレ

    1942年、ナチス占領下のフランスでユダヤ人が、フランス警察によって
    大量に検挙される。ユダヤ人の印である黄色い星を胸につけていたシモン、
    ジョー一家も全員連行され、ヴェル・ディヴに収容される。しかしそこでの
    劣悪な環境以上に、彼らには過酷な運命が待ち受けているのだった。

    黄色い星の子供たち

    1942年夏、ヒトラーのパリ視察の姿が当時の映像で映しだされます。
    既にナチス占領下であったフランスでは、ユダヤ人は胸に黄色い星をつけさせられ、
    様々な迫害を受けていたのです。そんな中でも明るさを持ち続けるジョーや親友の
    シモン、彼の弟の幼いノノは、様々な遊びやいたずらをして毎日を送っていました。
    しかし、その時期に、実は、当時のフランス首相とナチスの話し合いで、「民族浄化」
    の大義の元、外国籍のユダヤ人検挙が決定するのです。しかし、連合国側への
    体面上、子どもを除外したいナチスと、孤児を受け入れる余裕はない、と考えるフランス
    首相との折衝で女子供も含めて13000人というユダヤ人がフランス警察によって
    一斉に検挙されるのです。映画の中で虚しい抵抗を試みる者、自殺を図る者が映り
    ます。味方であるはずの自国の警察によって連行される絶望は、計り知れないものですね。


    黄色い星の子供たち

    彼らはヴェル・ディヴという冬期競輪場へ収容されます。トイレが詰まり、病気が蔓延し、
    食料はおろか水さえ配られない劣悪な環境での唯一の医師がジャン・レノ演じる
    ダヴィッドです。

    黄色い星の子供たち

    しかし彼もユダヤ人。医師を派遣することは、証言者を増やす、ということで志願者がいても
    派遣されてこなかったのです。そして赤十字からやって来た6人の看護師のうちの
    1人が、メラニー・ロラン演じるアネットです。「イングロリアス・バスターズ」(2009)
    では迫害されるユダヤ人を演じていました。意志が強く、それでいて優しい瞳が
    印象的です。

    黄色い星の子供たち

    ヒトラー達の優雅な生活と収容所での悲惨な状況を対比させ、一方では、人命よりも
    戦争の勝利を優先させた連合国への批判も感じ取れます。
    ヴェル・ディヴへ水を配給に行く消防士たち、少女をかくまった町の人々、見て見ぬふり
    をしたフランス警察の名もない男など勇敢なパリ市民の姿も映しだされます。
    離れ離れにされた母親に会えると信じて、次の収容所行きの列車に乗るために
    一番先に駆けてきたノノが行くであろう場所を考えると本当に悲しくなりました。
    1995年まで、フランスが、この政権をフランスではないと主張していたとは驚きました。
    そして今なお残る記憶は、後世に必ず語り続けなければならないと思っています。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆



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    黄砂が飛びまくっている。目がかゆいわ。

    善き人のためのソナタ

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      JUGEMテーマ:洋画
       
      善き人のためのソナタ

      「善き人のためのソナタ」
      原題:das leben der anderen
      監督:フロリアン・ヘンケル・フオン・ドナースマルク
      2006年   ドイツ映画  138分
      キャスト:ウルリッヒ・ミューエ
           セバスチャン・コッホ  
           トーマス・ティーメ
           フォルクマー・クライネルト

      1984年、東ドイツの有名劇作家ドライマンは、国家保安省の
      ヴィスラーにより完全監視下に置かれる。彼の恋人で女優の
      クリスタは、彼と深い愛情で結ばれていたが、同時にヘムプフ
      大臣の寵愛も受けている。そして盗聴を始めたヴィスラーは
      2人の会話を聞くうちに、次第に心境に変化が起こるのだった。

      善き人のためのソナタ

      第79回アカデミー賞外国語映画賞受賞作です。
      1984年、まだ東西ドイツが対立していた時代、東ドイツにはシュタージ
      と呼ばれる国家保安省が存在し、10万人の協力者と20万人の密告者
      がいたと言われています。シュタージ局員ヴィスラー役は、自らも監視
      されていたことを告白したウルリッヒ・ミューエです。彼はこの映画の公開
      直後にガンで亡くなっています。
      ヴィスラーは、社会主義国家にきわめて忠実で、当時の有名劇作家
      ドライマンを監視するよう、上司ウルヴィッツに進言するのです。

      善き人のためのソナタ

      部屋中に盗聴器を仕掛けらたアパートへ何も知らないドライマンは帰宅し、
      恋人クリスタとの生活を全てヴィスラーに盗聴されます。それは24時間
      あらゆる場所で行われ、それを聞きながら、記録を取っていくのです。
      監視、脅迫、密告などは、民主義国家と思われている国々でも実は行われて
      いることかもしれません。ただそれを知らないだけかも。
      ドライマンは、現体制に歯向かうこともなく、国のために脚本を書いていますが、
      反体制のレッテルを張られ、7年間の職業停止を言い渡された演出家イエルス
      の自殺によって、真の芸術について正面から向き合うことを考えます。

      善き人のためのソナタ

      一方、ヴィスラーは、次第にドライマンとクリスタの芸術に対する真摯な思いを
      理解し、ドライマンが奏でるピアノ曲を聴いて、自らの生き方を考え直し始めるのです。
      ヘムペフ大臣の寵愛を拒否するように彼女に進言し、そしてそのことによって
      拘束されるクリスタ。

      善き人のためのソナタ

      西側の記者に、東ドイツの自殺者についての記事を渡したドライマン。その全てを
      知っていながら、知らないふりをしつつ、その証拠を見つけなければならないヴィスラー。
      3人3様の心が絡み合って終盤へと向かいます。
      ラストの書店のシーンは胸を打つものでした。

      <マープルの採点>
      お勧め星   ☆☆☆☆



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      昨日はなんばから梅田まで歩いて足が棒のよう。暑いくらいだった。

      画家と庭師とカンパーニュ

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        画家と

        「画家と庭師とカンパーニュ」
        原題:dialogue avec mon jardi nier
        監督:ジャン・ペッケル
        2006年   フランス映画  105分
        キャスト:ダニエル・オートゥイユ
             ジャン=ピエール・ダルッサン
             ファニー・コットソン

        パリに住んでいた画家がある時、カンパーニュの実家に戻る。
        彼は荒れ果てた庭の手入れに庭師を雇うが、その男は偶然にも
        小学校の同級生だった。その日から2人の楽しい日々が始まる
        のであった。

        画家と

        音楽と南仏カンパーニュの明るい日差し、そして真っ青な空と色とりどり
        の野菜がとても美しく映しだされます。
        初老を迎えた画家は、パリで成功をおさめ、久しぶりに実家のあるカンパーニュ
        へ戻ってきます。彼は、自分の浮気が原因で離婚の協議中。そして目の前に
        広がる荒れ果てた庭の手入れのために庭師を雇うのです。
        そこへスクーターでやって来た毛の薄い男は、何と小学校の同級生でいたずら
        仲間でした。ずっとこの田舎町に住み、町のことをくまなく知っている庭師と
        裕福な薬局の息子に生まれ、好きな絵画の道に進んだ男とは、全てにおいて
        対照的でありながら、お互いに惹かれあうのです。
        画家キャンバス役は、「隠された記憶」(2005)のダニエル・オートゥイユ。

        画家と

        フランス人ってこういう顔立ちが好きなのかしら。
        一方庭師ジャルダンは、自分の妻のことを「奥さん」と呼び、きわめて平凡な
        毎日の暮らしをキャンバスに話して聞かせるのです。
        ジャルダン役は「バレッツ」(2010)のジャン=ピエール・ダルッサン。

        画家と

        坂道を毎朝スクーターで上ってくるジャルダンと、それを追いかける犬の姿は
        のどかさの象徴のように感じられます。

        画家と

        ジャルダンの朴訥とした人柄に接するうちに、キャンバスの心に大きな変化が
        現れるのです。それは、他人に興味を持つということ。それが愛情につながって
        いく第一歩なのですね。そして庭が生き返るとともに、キャンバスも人間らしく
        変わっていきます。
        淡々とした映画で、ともすれば眠くなりがちですが、後半20分は、キャンバスの
        心に芽生えた暖かさを見ることができ、心地よい気分になれました。

        <マープルの採点>
        お勧め星   ☆☆☆☆



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        電車の中はもう暑いくらいだった。

        デザートフラワー

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          JUGEMテーマ:洋画

          デザートフラワー

          「デザートフラワー」
          原題:desert flower
          監督:シェリー・ホーマン
          2009年   ドイツ=オーストリア=フランス映画  127分
                  PG-12
          キャスト:リヤ・ケベデ
               サリー・ホーキンス
               ティモシー・スポール

          ソマリアの遊牧民の娘ワリスは、親に決められた婚姻から
          逃れるため、家を飛び出す。行き着いた先のロンドンでホームレス
          生活を送っていた彼女は、マリリンという女性の紹介で清掃の
          仕事に就く。そしてその店で、有名な写真家の目に留まるのだった。

          デザートフラワー

          ソマリア出身のトップモデル、ワリス・デイリー著の自伝小説
          「砂漠の女 デイリー」の映画化です。
          desert flowerはワリスのソマリアでの名前で、意味は
          『砂漠の花』
          見渡す限りの砂漠の中で、ヤギの世話をする少女ワリスは、13才
          になると金持ちの老人の4番目の妻になるように決められるのです。


          デザートフラワー

          彼女は結婚自体が恐ろしく、とにかくそれから逃げたい一心で、
          祖母の住む首都モガデシュまでひらすら歩き続けるのです。
          そして祖母の紹介でロンドンのソマリア大使館でメイドとして働き
          始めるのですが、祖国で突然内乱が起きます。大使らは祖国へ
          戻らなければならず、ワリスは意を決して単身ロンドンに残るの
          です。
          始めの方のみすぼらしい布きれ1枚をまとったワリスと、この数年後
          の派手な姿のワリスが交互に映し出され、彼女がいかにして成功を
          手にしていくかが見て取れます。

          デザートフラワー

          ロンドンで住む部屋を提供してくれたマリリンに、ワリスは彼女自身の
          重大な秘密を打ち明けるのです。これがいかに屈辱的なことなのかも。

          デザートフラワー

          ソマリアから出てきた少女のサクセスストーリーという軽いものでは
          なく、「割礼」という古い慣習への抵抗という重い問題が絡んできます。
          民族や国の慣習は尊重すべきものでありますが、虐待、女性差別、
          自由の束縛をはらむものがその多くに含まれてるのです。
          この映画で「割礼」の意味を深く知ったことはとても良かったと思って
          います。自らの体験を告白したワリス、そして彼女の友人マリリンの
          ワリスを支える姿はとてもステキでした。
          結局国連も書類の手続き、という極めて事務的な方法でしか動かない
          という残念な現実も知らされます。

          <マープルの採点>
          お勧め星   ☆☆☆☆



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          なんとなく花曇り。これから再び高速走行です。

          抱擁のかけら

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            抱擁のかけら

            「抱擁のかけら」
            原題:los abrazos rotes/broken embraces
            監督:ペドロ・アルモドバル
            2009年   スペイン映画  128分
            キャスト:ペネロペ・クルス
                 リュイス・オマール
                 ブランカ・ポルティージョ
                 ホセ・ルイス・ゴメス
                 ルーベン・オチャンディアーノ

            ハリーはかつては有名な映画監督であった。しかし、14年前、事故で自らの視力と
            愛人を同時に失ってしまう。その後彼は脚本家に転向するが、ある日見知らぬ男が
            彼の元を訪れるのだった。

            抱擁のかけら

            「ボルベール<帰郷>」のペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスが再び組んで
            作られた映画です。何と言ってもスペインの明るい日差しとペネロペ・クルスの美貌が
            輝きます。
            オープニングで、つぶらな瞳に映る男性の姿が見えます。彼、ハリー・ケインはかつては
            マテオという名前だったのですが、ある事故をきっかけにその名前を捨て、ハリー・ケイン
            に生まれ変わったのです。
            そんな彼の元へ怪しげな男が現れ、「父の記憶に復讐する息子の話を書いてくれ」と依頼
            するのです。その男ライ・Xは、実は、かつてマテオと恋仲であった美しい女性レオの
            パトロンの実業家マルテルの息子なのです。
            1992年から94年と現在2008年のマドリードのシーンが交互に映し出され、封印してあった
            マテオの素晴らしく、かつ悲劇的な過去が明らかになってきます。

            抱擁のかけら

            マルテルの異常なほどの強い愛情と束縛に耐えかね、激しい恋に落ちたレオとマテオは
            逃避行を企てます。でもちょっと待って!マテオには妻子がいるはず...。

            抱擁のかけら

            この辺りは、いかにもヨーロッパの恋愛に自由な気風を感じます。そしてその話を素直に聞き、
            感動するマテオの息子ディエゴと、実はもっと大きな秘密を抱えて苦しんでいた妻ジュディエット。
            各々の思いが解き放たれて、遂に完成しきれていなかった映画を完ぺきな作品に仕上げて
            いくのです。

            抱擁のかけら

            淡々としたストーリーの中で何となく心がひかれていくシーンがたくさん出てきました。
            ペネロペ・クルスの美しい肢体も魅力的でした。

            <マープルの採点>
            お勧め星   ☆☆☆☆
            グロ星
            ハラハラ星  ☆
            エロエロ星  ☆☆
            ダルダル星


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            昨日のハーブ園散策で今日は完ぺきに筋肉痛。すごい坂道だった...。

            映画「ヒトラーの贋札」

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              ヒトラーの贋札

              映画「ヒトラーの贋札」
              監督:ステファン・ルツォヴィッキー 
              2006年  ドイツ=オーストリア
              キャスト:カール・マルコヴィクス
                    アウグスト・ディール
                    デーヴィット・シュトリーゾフ


              第二次世界大戦中、ナチス・ドイツがイギリスの経済混乱
              を狙って企てた「ベルンハルト作戦」。

              ヒトラー2

              この作戦のために、収容所にいたユダヤ人のうち技術を
              もつ者だけが、ドイツ・ザクセンハウゼン強制収容所に送られ
              ‘完璧な贋ポンド札’を作ることを要求される。
              贋作師のサリー、印刷技師のブルカー、美校生のコーリャ
              など、それぞれの思いを抱きながら、収容所での作業を
              こなしていくのだった...。

              ヒトラー2

              <感想>  同じ収容所内で壁1つ隔てた向こう側では、足に
              合わない靴を履かされて走る実験を行っている。一方、贋札
              作りに携わる彼らは、柔らかい布団と3度の食事が与えられて
              いる。
              同胞への負い目と「生」への欲望が彼らの心を乱していくのが
              よくわかります。本心はやはり生きて戦後を迎えたいのです。
              それが普通の人間の思いではないでしょうか

              ヒトラー2

              自分の娘のパスポートが偽造パスポートに変造されるのを
              担当したのが、実の父親では悲しみは図り知れません。
              彼の悲しみは戦争が終わっても癒えることはなかったのですね。
              いえ、終わったからこそ絶望したのでしょう。
              96分の短い映画でしたが、深く心に残りました。

              <マープルの採点  星4つ半>
              戦争映画は見ていてつらいです。



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